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未利用エネルギーを活用する
マイクロ水力発電

――そもそも御社は水力発電に強みがあるわけですね。それでは、マイクロ水力発電とは一体どういったものなのか、具体的に教えていただけますか。

松本:  一般にマイクロ水力発電というと、小規模な水力発電を包括して語られる場合もありますが、当社では上下水道や農工業用水などを利用したものに限定しています。上下水道や農工業用水は発電のために水を流しているわけではなく、本来の目的は別のところにありますよね。つまり、エネルギーとして活用されていない水の流れを利用して発電するものをマイクロ水力発電としているのです。

メカニズムはいたってシンプルです。水が上流から下流に流れる際の水力を利用して水車を回し、そのエネルギーを電気に変えるというものです。原理は一般的な水力発電と全く同じですが、水量や発電量が小規模なんですね。例えば、先ほど挙げました姫川第七発電所は最大出力4万3200kWを誇りますが、マイクロ水力発電は数10kWから数100kWといった具合です。

――姫川第七発電所のような大規模な発電所を所有しながら、その100分の1にも満たないマイクロ水力発電を事業化しようと考えたのはなぜでしょう?

東京発電株式会社 取締役社長 松本 一紀氏

東京発電株式会社 取締役社長 松本 一紀氏

松本: 数年前、東京電力グループでは、マイクロ水力発電事業から撤退するか、別の形で存続するかを検討していました。理由は採算が合わないことと、将来性が見込めないことでした。

元々、マイクロ水力発電事業を手掛けていた日本自然エネルギーは、グリーン電力証書を扱う会社で、発電事業をコアとはしていませんでした。それで、グループで唯一水力発電を専門とする当社に、稼働中のマイクロ水力発電所2カ所を含む全営業権の譲渡の話が持ちかけられたというわけです。

その話を検討する上で最大のポイントは、当然のことですが事業(ビジネス)として成立するかどうかです。日本自然エネルギーでは、日本全国を対象に事業計画を立てていましたが、その計画では残念ながら採算は合わない。ですから、私どもが営業権を引き継いだ場合は、全面的に見直さなければなりません。

また、当社の地盤は新潟県や静岡県などを含む関東近郊です。日本全国ではなく、その範囲内でマイクロ水力発電事業を展開した場合に収益性はどうなるのか、綿密なシミュレーションを行いました。もちろん、その際には水力発電における当社の技術力やノウハウといったものを勘案しています。

総合的に判断した結果、当社が全営業権を譲り受けた場合には、おおよそ3年間で事業として軌道に乗せることができ、5、6年目には累積赤字も解消できるという見込みが立ったのです。それで2005年4月に正式に譲渡を受けることにしました。

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