50年以上にわたる
水力発電の実績を生かして
――御社では「マイクロ水力発電」という新事業を推進していると聞きました。「マイクロ」というと一般家庭で発電するような、非常に小さい規模ではないかと思ってしまうのですが、実際にはどういったものなのでしょう。また、最近では周辺環境に悪影響を及ぼすと思われ、水力発電所の新設が市民の反対に合うケースも少なくありません。そのような状況の下、なぜ今、水力発電に目を向けられているのですか?
松本一紀氏(以下、敬称略): 確かに水力発電は「環境に良くないのでは?」というイメージを持たれる方がいらっしゃるかもしれませんね。しかし、当社が取り組んでいるマイクロ水力発電は、環境という意味において、大規模ダム開発に象徴される既存の水力発電とは全く“性格”の異なるものです。

東京発電株式会社 取締役社長
松本 一紀氏
皆様にマイクロ水力発電の詳細な説明をする前に、なぜ水力発電なのかをご理解いただくため、当社の背景から少しお話しましょう。
当社は1928年に東京電燈(現・東京電力)の傍系会社として設立され、当時は「姫川電力」という社名でした。姫川とは新潟県糸魚川市を流れる川のことです。水力発電に携わるようになったのは1955年の姫川第七発電所の営業開始からで、現在は総出力約14万kW、50カ所以上の水力発電所を擁し、年間約8億kWhの電力を東京電力に卸供給しています。この電力量は一般家庭約19万世帯分に相当します。
水力発電所というと、電力会社のみが所有していると思われるかも知れませんが、実際は電力会社以外にも地方自治体や民間企業も所有して運営されています。私どもは自社所有の発電所の運営以外にも、そういった事業者からの受託事業も行っており、発電所の運転・保守から、発電管理業務の効率化、環境維持対策の提案まで、様々な形で水力発電のサポートを行ってきました。
1986年に社名を現在の「東京発電」と改めてからは、水力発電以外にも事業領域を拡大し、火力発電所の建設支援や保守点検の業務委託、風力発電所の開発や業務委託なども手掛けています。
そして、一昨年から新たに事業として加わったのが、お尋ねになっているマイクロ水力発電です。これはそもそも我々と同じ東京電力グループの「日本自然エネルギー」が手がけていたもので、2005年に当社が営業権を買い取りました。
50年以上にわたって蓄積してきた当社の水力発電におけるノウハウを存分に生かせる事業として、現在は積極的に推進しています。これによって当社は名実共に東京電力グループ唯一の水力発電専門企業となったわけです。
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