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廃品の魅力は「朽ち果てているかっこよさ」

──楽器の材料になる缶やバケツはどこで手に入れるんですか?

山口: 母校の給食室とか、色々なところから拾ってきました。街を徘徊していると、「こんなところにこんなものが落ちている…」というのが分かってきます。ガソリンスタンドにポリバケツの取り置きを頼むこともあります。大きなものは業務用が多い。

パーカッショニスト 山口 とも 氏”

パーカッショニスト 山口 とも 氏

業務用の缶に心がひかれたのは、あまり人目に触れないものだから。大きくて、どんな音が出るのか興味がありました。今は素材を見るとだいたいの想像はつくのですが、それを裏切られるのもまた楽しいものです。

こういった廃物、というかゴミですね、「どうせ捨てたものでしょ」という“汚い”イメージがつきまといます。だから私は、まず拾ったら洗ってきれいにする。すると、「朽ち果てているかっこよさ」とでもいいますか、そういうものが顕わになってきます。

メル・ギブソン主演の『マッドマックス』という映画をご存じでしょうか。出てくる車が、汚くて、いらないものを取り払っていて、必要だけど見た目が変わったパーツを取り付けていて、すごくかっこいい。楽器もビジュアルから入ることが大事だと思います。元はゴミでも、色味を揃えるとか、形を揃えることで、すごくかっこよくなる。私の楽器も、そういったことにこだわっています。

製作をプロに頼まず自分で作ったのは、自分の頭にある構想を人に伝えるのが困難だったから。自分の感性で作ってみたかったのです。

後編はこちらからどうぞ)

山口 とも(やまぐち・とも)氏

 ガラクタに命を吹き込む打楽器奏者。
 祖父、山口保治は「かわいい魚屋さん」「ないしょないしょ」など数々の童謡を創った作曲家。
 父、山口浩一〔新日本フィルハーモニー/ティンパニー名誉首席奏者〕の長男として東京に生まれる。

 つのだ☆ひろのアシスタントとして音楽の世界に入る。1980年「つのだ☆ひろとJAP’S GAP’S」でデビュー。解散後、フリーのパーカッショニストとして中山美穂・今井美樹・平井堅・石井竜也・サーカスなど、数々のアーティストのツアーやレコーディングに参加。
 95年の音楽劇「銀河鉄道の夜」をきっかけに、廃品から様々なオリジナル楽器を作るようになる。おおたか静流とのスピリチュアルなライブパフォーマンスやロックの中山ラビ、アヴァンギャルドジャズの三宅純等活動の場を広め、2004年には日本演芸協会の福岡詩二氏から“打楽器コメディアン”の称号をもらい、浅草東洋館にゲスト出演し好評を博している。

 2003年4月~2006年3月、NHK教育テレビ「ドレミノテレビ」に“ともとも”の愛称でレギュラー出演していた。
 「音楽=音を楽しむこと」をモットーに近年は子供から大人まで楽しめる音楽を目指し、オリジナル廃品楽器を使ったパフォーマンス活動し注目を浴びている。

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