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豊かな“食”が
豊かな“心”をはぐくむ

――そういう感覚は、どうやって身に付けていけばいいんでしょうか。今、実際に自分で狩りをするわけにはいきませんし……なかなか難しいような気もします。

安井: 我が家では、普段から子供たちにそういう話をしていますね。男の子の3人兄弟なんですが、例えば食事の時は、それぞれの体の大きさに合わせた分量を出します。育ち盛りの男の子ですから、「もっと食べたい」と言う時もあるし、自分のお肉の方が少なければ不平等だと感じるかもしれません。でも、それは親が判断して与えるべきだし、そういう実践の中で「自分に必要な物を食べる」という感覚を身に付けていってほしいと思っています。

学校でも、調理実習の授業があると先生にお願いしてお邪魔させていただいたりするんです。そこで子供たちに「これから調理実習だけど、このジャガイモはどこから来たか知ってる?」「“いただきます”の本当の意味を知ってる?」なんて話をすると、本当にキラキラした瞳で素直に受け止めてくれますね。

本当は、授業よりもそれぞれの家庭で伝えていけたらいいんでしょうけれど、私たち親の年代って「ニンジンはカロチンが豊富に含まれています」とか、「○○酸はこういう働きをしています」とか、そういう教育を受けてきた世代なんですね。

でも本当は、ニンジンなら、カロチンの話ではなくて「お日様の光をたくさん浴びているから、食べると元気になるのよ」。お魚なら「海を元気に泳いでいたから、そのパワーが詰まってるんだよ」と……そういう言葉がけによって育まれる“感性”や“心”が大事だし、それが、本当の教育にもつながると思います。

――分かる気がします。ただ、既にこの大量消費社会に慣れきってしまった我々、大人の世代が変わるには、どうしたらいいのでしょうか。

エッセイスト、料理研究家 安井 レイコ 氏

エッセイスト、料理研究家
安井 レイコ 氏

安井: やはり、自分の体で実感するしかないのではないでしょうか。これだけメタボリックだ生活習慣病だと騒がれる時代ですから、自分の体に無理がきていると感じる方は多いと思うんですね。ですから、まず、無理のない範囲で、できることから始めてみる。いきなり「ノンシュガー、ローオイル」というのは無理ですから、まずは週に1度でも、お昼の焼き肉定食を焼き魚定食に変えてみる。ファストフードをおにぎりに変えてみる。

そうしているうちに体や味覚が変わって、なんとなく体調がいいなと思えば、自然にそういう食事が増えますよね。後は自分なりの楽しみを用意するとか……繰り返しになってしまいますが、アバウトに、楽しみながら「継続する」ということがポイントだと思います。


インタビュー(前編)、レシピ集(前編)(後編)はこちらからどうぞ)


安井 レイコ(やすい・れいこ)氏

エッセイスト、料理研究家。1963年東京生まれ。1982年女子学院高校卒業、法政大学文学部日本文学部入学。大学在学中、休学をして加藤健一事務所にて演技を学ぶ。

1992年読売新聞「地球にやさしい作文コンテスト」優秀賞受賞をはじめとする数々の受賞歴でカリスマ主婦ライターとして雑誌・テレビなどのメディアに登場。生活に関するエッセイを発表する傍ら、出産を機に学び始めた健康料理で、料理研究家としての活動も開始。「簡単、キレイに健康に」をモットーとしたローオイル、ノンシュガー料理を紹介するメールマガジンの配信では、メールマガジン配信スタンド「まぐまぐ」による「まぐまぐ大賞」にて2005年、2006年と、2年連続部門賞受賞(グルメ・レシピ部門、日記・ノンジャンル部門)。

各地での料理講習会や食育のイベント、トークショー、テレビ、広告、ブログなどで幅広く活動中。「身体にやさしいことは地球にもやさしい」をテーマにチームマイナス6%メンバーとして「うちエコ!」発表記者会見や各種イベントへ出演するなど、エコロジー活動も展開している。

公式サイト:安井レイコのハーモニーキッチン

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