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メリハリのある食生活から
新たな楽しみや喜びが生まれる

――安井さんは、料理法を提案していく上で「継続しやすいこと」をとても大切にされていますよね。あまり料理をしない男性でも、何か取り入れられるような方法や、続ける秘訣などはありますか?

安井氏(以下、敬称略):  まず、食事というのは餌ではないので、何か“楽しみ”の部分がないと続かないと思うんですね。男性の場合はお昼は外食という方が多いと思いますから、例えば「ランチに揚げ物はやめよう」と決めたら、代わりに月1回は「あの店の2000円のトンカツを食べるぞ」とか、「こってりした豚骨ラーメンを食べるぞ」と決めておく。そうすると、逆にそれが楽しみになったりするんですよね。

エッセイスト、料理研究家 安井 レイコ 氏

エッセイスト、料理研究家
安井 レイコ 氏

あとは無理をしないこと。今日はそばを食べようと思っていても、お店が混んでいることもあるでしょうし、時間がなくてファストフードで済ませなくてはいけない時もありますよね。そういう時に、「あぁ、だめだ」と落ち込んだりせずに、その時の状況に合わせて、気長に続けていくことですね。そうやって「食」にメリハリを付けながら“継続すること”が大事だなと思います。

――「アバウトに、楽しみながら」というのが続けるためのポイントなんですね。それは、環境問題に取り組む上でも通じるところがあるような気がします。

安井:  そうですね。健康も地球環境も、その場かぎりではなくて、長い目で考えなければいけない問題です。だから継続することが大切だし、そのためには「あれもだめ」「これもだめ」ではなくて、アバウトにすること。自分なりにメリハリを付けて、楽しみながらやる。それが続けるコツだと思います。

例えば、昔は特別な日にしか食べなかったケーキも、今はコンビニに行けば100円程度で買えてしまいます。でも、それを毎日食べ続けるより、1カ月に一度、仲のいい友人と美味しいケーキを食べに行く方が特別な感じがするし、素敵ですよね。その代わり、その1カ月、他のケーキは我慢します(笑)。そうやって自分でメリハリを付けることで、約束の日がもっと楽しみになるんですよね。

民俗学には「ハレ」と「ケ」という考え方がありますが、元々、昔の日本人は、特別な日と、そうでない日というのを区別していたんです。普段の「ケ」の日にはご飯とお味噌汁を基本にした食事、「ハレ」の日には特別な物を食べる――そういう感覚があったはずなんですが、それがいつの間にか失われてしまいましたね。

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