シンプルに、アバウトに
無理せず継続することが大切
――すごくシンプルな考え方ですね。では、実際にはどうやって使うのでしょうか。

エッセイスト、料理研究家 安井 レイコ 氏
安井: 例えば野菜炒めを作る時に、普通は最初にフライパンに油を引きます。すると一気に油の量が増えてしまうんですね。なので、油を引かなくてもいいようにテフロン加工のフライパンなどを使っています。今はどの家庭にもありますよね。
それから、油を引かないともう1ついいことがあって、フライパンの温度がそれほど高くならないので、野菜を焦がさずに、中までじっくり火を通すことができるんです。
油は、最後に少しだけ入れます。洋風にしたい時はオリーブ油を、和風や中華風にしたい時はゴマ油を。そうすることで油の香りだけ取り入れることができます。ほんの数滴入れて、からめてあげる。そうして油でコーティングしてから調味料を入れます。
これで、今までは大さじ3杯くらい使っていた油が、大さじ1杯にもならない。小さじ1杯以下に減らすことができますね。もちろん、本格的な中華料理屋さんで出されるような味にはなりませんけれど、普段、自宅で食べる分には十分な味だと思いますよ。
ほかにも、例えばカレーを作る時は、最初にお肉と野菜を炒めてから煮て、それからルーを入れますよね。でも、市販されているルーには油が入っていますし、本当に炒める必要なんてあるのかなと考えてしまいます。そこで炒めずに作ってみると、違いなんてほとんど分からないんですよね。それなら炒めずに作った方が油を減らせるし、作る手間も1つ減らせてしまいます。
――安井さんのお話を伺っていると、気負わないというか、とてもアバウトで無理のない感じがしますね。
安井: 健康のためとか、環境のためといっても、やはり続けられないと意味がないんですよね。だからアバウトに、できることから始めるのがいいと思います。これまでファストフードやお菓子ばかり食べていた人が、急に毎日、自分で作ろうと思ったら大変でしょう? だから、そういう方には、まず一品でいいのよとお話しています。もっといえば、ご飯だけ自分で炊いて、おかずはお惣菜屋さんで買ってきてもいいんです。
自分でおかずを作る時も、作ってみて味が薄いなと思ったら、あとからお塩やおしょうゆを足せばいいし。完璧でなくていい。続けていけば、料理の腕なんて自然と上がっていくものですから。それよりも、続けることが大切ですから、私が紹介するレシピはとても簡単なもの、「お鍋1つでできるもの」ということを基本にしているんです。
私の場合、元々、几帳面な性格でもないので、それもいいのかもしれませんね。なんでも丁寧にやる方だと、逆に「ここにこんなに時間をかけていいのかな」という疑問すら出ないでしょう? 丁寧にお出汁をとったり、1日かけて煮込んだり……それを、私の場合は、この油は減らしてもいいかな、この手順は抜いても大丈夫かな、と試してみる。
先ほどのカレーも、最初に炒めないことで、ひと手間省けますし、使う油が少なければ洗い物もラクになります。そうすると、継続することができる。男性の場合、料理を始めると、凝り出してしまう方が多いけれど、凝ると続かないんですよね。面倒なことはしないのが一番(笑)。ラクして健康になって、地球にも優しいなんて、いいですよね。
(インタビュー(後編)、レシピ集(前編)・(後編)はこちらからどうぞ)
安井 レイコ(やすい・れいこ)氏
エッセイスト、料理研究家。1963年東京生まれ。1982年女子学院高校卒業、法政大学文学部日本文学部入学。大学在学中、休学をして加藤健一事務所にて演技を学ぶ。
1992年読売新聞「地球にやさしい作文コンテスト」優秀賞受賞をはじめとする数々の受賞歴でカリスマ主婦ライターとして雑誌・テレビなどのメディアに登場。生活に関するエッセイを発表する傍ら、出産を機に学び始めた健康料理で、料理研究家としての活動も開始。「簡単、キレイに健康に」をモットーとしたローオイル、ノンシュガー料理を紹介するメールマガジンの配信では、メールマガジン配信スタンド「まぐまぐ」による「まぐまぐ大賞」にて2005年、2006年と、2年連続部門賞受賞(グルメ・レシピ部門、日記・ノンジャンル部門)。
各地での料理講習会や食育のイベント、トークショー、テレビ、広告、ブログなどで幅広く活動中。「身体にやさしいことは地球にもやさしい」をテーマにチームマイナス6%メンバーとして「うちエコ!」発表記者会見や各種イベントへ出演するなど、エコロジー活動も展開している。
公式サイト:安井レイコのハーモニーキッチン
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