デニス・ヤブロンスキー氏と
Dr. ロレンツ・グランラート氏の講演
「成長するアメリカの代替エネルギー市場の可能性」と題した講演を行った、米国ペンシルベニア州地域振興・経済開発省長官のデニス・ヤブロンスキー氏。
京都議定書への不参加に始まり、環境政策のあり方について世界から非難を浴びてきた米国。だが今年、新たな大統領が生まれることを契機に、どのように環境政策をとっていくのかが注目を浴びている。ヤブロンスキー氏によると、現在米国では州それぞれが主導権を握り、再生可能エネルギーや温暖化対策、またそれらに関連する産業の推進に積極的に取り組んでいるという。
ペンシルバニア州もその中の一つ。先頃、「Energy Independence Fund」と称する、6億5000万ドルの予算を再生可能エネルギーのために投じる法律を制定した。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーのプロジェクトファイナンスとして3億4500万ドルを充て、4000万ドルをベンチャーキャピタルなどの支援に、太陽光発電パネルなど再生可能エネルギー利用の機器を個人や事業者が設置する際の、設置コストの補助金として残りを利用するという内訳だ。
新大統領の誕生、そして環境のための連邦政府による国家政策が始まるのを待たずして、もはや州政府は再生可能エネルギーの普及など、環境対策に積極的に動いている。そうやって、遅れを取り戻すかのように急ピッチで動き始めた米国の展望を伝えてくれた。
そして基調講演の最後に登場したのは、ドイツの応用研究機関「フラウンホーファー」の日本代表部研究所の代表、Dr. ロレンツ・グランラート氏。
「フラウンホーファー」はヨーロッパ最大の応用研究機関であり、ドイツ国内だけでも56の研究機関を抱える。また日本、中国、ロシア、ドイツ、アメリカ、インドネシア、韓国などにも拠点がある、世界規模の研究機関だ。同研究所では、民間企業や公共企業向けに、さらに社会全体の利益を目的として、直接効用の応用研究を実施しており、その研究分野は生産技術、情報・コミュニケーション技術、ナノテクノロジー、生命科学、マイクロエレクトロニクス、材料および部品…と実に多岐にわたる。その中で、同研究所が力を入れているのが、再生可能エネルギーに関する研究だ。個々の具体的な研究成果などについては専門的な話も混じってくるのでここでは省略させていただくが、一口に再生可能エネルギーの研究といっても、太陽光発電から燃料電池に至るまで、そのカバーする分野は実に幅広い。「フラウンホーファー」のようなワールドワイドな規模の研究機関の成果が、来るべき再生可能エネルギー時代を支えていくことは間違いないだろう。
日本、ドイツ、アメリカという、再生可能エネルギー/新エネルギーの普及・促進において重要な役割を担うであろうこれら3カ国それぞれの現状や展望をうかがい知ることができた基調講演。このような機会にドイツとアメリカの大胆な政策や、環境産業の著しい発展について話を聞くのは、非常に刺激を受けるところが多い。またそれら諸外国の姿勢に対して、日本はどのような形で再生可能エネルギー社会へ移行していけばよいのか? そんなことを改めて考えさせられた。
次回は、基調講演に引き続き行われた、「Cool Earth 50 フォーラム」の模様をリポートする。東京工業大学教授の柏木孝夫氏、経済産業省資源エネルギー庁次長の本部和彦氏、東京大学総長の小宮山宏氏による講演の様子を写真と共にお伝えしよう。
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