もう“CO2削減”だけでは間に合わない!?(前編)シンポジウム「気候変動と水災害 ~凶暴化する水災害にどう立ち向かうか~」Photoリポート
●2008年5月、ミャンマーを襲ったサイクロンに続き、中国では四川大地震後の長雨による二次災害の拡大――。これまで懸念されてきた地球温暖化に伴う気候変動と、それによる水災害の被害拡大は今、確実に現実のものとなりつつある。特に、水の影響を受けやすい農業がダメージを受ければ世界的な食糧危機にもつながる。食糧の多くを輸入に依存する日本にとっても他人事ではない。
●2007年11月に発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書によれば、二酸化炭素(CO2)などの温暖化効果ガス削減を中心とした温暖化の“緩和策”には限界があり、緩和策を行ったとしても気温の上昇は数世紀続くという。「地球温暖化」というとCO2削減ばかりに目が向きがちだが、時代はもはや、温暖化に伴う様々な影響への“適応策”を求める段階に入っている。
●そうした課題を背景に2008年5月24日、千代田放送会館(東京都千代田区)で開催されたシンポジウム「気候変動と水災害 ~凶暴化する水災害にどう立ち向かうか~」(主催:国土交通省、日本水フォーラム、共催:環境省)には、皇太子さまもご臨席。アル・ゴア氏とともにノーベル平和賞を受賞したIPCCで議長を務めるラジェンドラ・パチャウリ氏や、世界水パートナーシップの顧問マーガレット・キャトレイ・カールソン氏など、各界の識者が幅広い議論を展開した。
●今、日本の国内外でどのような水災害が起こっているのか。そして今後、何をしていくべきなのか――? 前編ではパチャウリ議長と、実際にIPCC第4次評価報告書の作成に携わった東京大学 生産技術研究所の沖 大幹 教授による基調講演を中心に紹介する。
取材・構成・文/蔦林 幸子 写真/佐藤 久

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