環境問題への取り組みは
科学的根拠を持って
森林を正しく使うことで、化石燃料の消費を減らして二酸化炭素(CO2)も減らすことができる。

木材利用と循環型社会(講演資料より抜粋)
だが森林の機能は、二酸化炭素の固定だけではない。健全な森林は、資材や食糧の供給源となり、生物多様性を育み、水源涵養林として命の水の源となり、人の文化が育まれる。
しかし森の衰退と共に、人は生活や食生活にも多様性を失いつつある。森の多様性を守ることは、心の多様性保全につながるのではないだろうか。

早稲田大学 人間科学学術院 森川靖教授
最後に森川教授は、環境問題に対する取り組みに的外れなものが多いことを指摘した。
例えば、「クロレラを利用した二酸化炭素除去装置(バイオリアクター)」では、空気中の二酸化炭素をクロレラが吸着し、育ったクロレラは食糧や飼料になるので一石二鳥だという人がいる。しかし、「食糧や飼料として利用されたクロレラは分解されて再度、CO2に変化するので、これは単なる循環装置でしかありません」(森川教授)。
また、乾燥地の緑化には吸水性ポリマーを利用して保水すればよい、と開発に力をいれても、乾燥地で水を使い果たしたら、結局、植物は枯れてしまう。ポリマーの開発よりは、植栽方法の検討(植栽時に一部の葉を落とすなど)とその土地に適した樹種を選択するのが正しい。
「環境問題は思い込みで判断せず、科学的根拠を持って取り組んでほしい」と森川教授は話をしめくくった。
(4月8日掲載予定の後編に続く)
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