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街中に設置されている通常の電源コンセントを使えないか

もう一つ見逃せないポイントとして、通常の電源コンセントを使って、誰でも充電できるようにするという案を姉川氏は推す。

「インフラを充実させるといっても、いきなりガソリンスタンドと同じようにもっていくのは無理があります。ですが、通常の電源コンセントならば、現状、ほぼどこにでもあります」(姉川氏)。プラグインハイブリッド車は家庭用電源コンセントから充電できるのがメリットだが、EVでもこれを実現したいという考えである。

第2回「持続可能なモビリティーへの一歩」

急速充電のインフラが整えば、EVは大量の電池を積んで走る必要がなくなるので、コストも下がり、航続距離に関する課題も解消され、実用化にかなり近づく。今夏、東京電力では富士重工業や三菱自動車工業と共同開発したEVの試験車を使って、既に設置されている急速充電器で充電を行いながら、首都圏を1日中走行した。実質10時間程度を走り込んで、走行距離は160km程度だったという。

「(1回の燃料補給で)200km、あるいは300km走らないと車じゃないという考え方もありますが、EVの場合、航続距離を伸ばすには電池をその分、搭載するしかありません。100km走るための電池で約100万円のお金がかかります。それを2倍の200km、3倍の300kmにするためには、たとえて言うなら『100万円の札束をトランクに積んで走るような状態』をユーザーに押しつけていることになります」と姉川氏。逆に、急速充電のインフラを充実させれば、ユーザーにそうした負担を強いる必要がなくなる。

現在、東京電力の支店や支社のいくつかには急速充電器が設置済みで、社内で使うEVへの充電に用いられている。こうした急速充電器を一般に開放し、さらに東京電力の支店すべてに設置するだけで、現在の天然ガススタンドと同等のインフラは整えることができるという。

東京電力の支店のなかには、道路から奥まったところにもあるので、実際にユーザーに開放するとなると、使いづらいことが想定される。そこで、例えばファミリーレストランや自動車ディーラー、公共施設など、車でのアクセスに便利な場所にある施設にも急速充電器の設置を協力してもらえるようであれば、推進していきたい考えだ。

第2回「持続可能なモビリティーへの一歩」

通常の電源コンセントを使った充電についても姉川氏は期待を寄せる。

「例えばビルの地下駐車場には、柱の2本に1本ぐらいの割合で電源コンセントが設置されています」(姉川氏)。ここで課題となるのは、当然といえばそうだが、その電源コンセントを誰でも自由に使っていいことにはなっていない点だ。

姉川氏によると、それを「使わせてください」とお願いしていくのも手だが、手続きや管理などで色々と大変なことがついて回るので、「その部分を私たちで“代行”できればいいのではないかと思っています」と言う。

通常の電源コンセントからの充電は、1時間使っても20円分程度の電力とのこと。考え方次第だが、そのために電力計量器を設置するぐらいであれば、駐車料金の中に含めてしまった方が余計なコストもかからない。

また、屋外の時間貸し駐車場にも看板などが設置されている関係上、ほとんどの場合、コンセントが設置されている。それらを使わせてもらうことができれば、EVの活動範囲をさらに広げることができる。

月極の青空駐車場や集合住宅の立体駐車場にも、多くの場合コンセントはあり、それを使うことができれば充電は可能だという。「ただ、こちらは毎日利用するものですから、さすがに駐車料金に含めるというわけにはいかないと思います。何らかの簡単に利用できる計量器を置く必要があるでしょう。さらに大家さんとの交渉などもありますが、それについても私ども東京電力の方でいくつかのモデルケースをつくったうえで、交渉のノウハウなども提供していきたいです」と姉川氏は語った。

第2回「持続可能なモビリティーへの一歩」

EV本体の価格を抑え、ユーザーが購入しやすくするためには、航続距離が比較的短くても搭載するバッテリーを少なくする必要がある。それを補うためには充電インフラの整備が不可欠だ。充電インフラが整うことで、EVの利用率や稼働率が高まれば、それだけ省エネ効率も高くなる。

「そのためにもインフラ整備は必須です」と姉川氏は語る。最後に姉川氏は、「そうはいっても、90年代にはやらなかったじゃないか、という声も届いていますが、今度はやります」と強調して、スピーチを終えた。

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