会場内には、バイオマスの利活用に関する大学での研究成果を紹介する一角が設けてあった。参加大学は「秋田県立大学」、「熊本大学」、「東京大学」、「千葉大学」、「佐賀大学」。さらに唯一、専門学校の「群馬工業高等専門学校」が加わり、展示を行っていた。それぞれパネル展示が主で、企業のブースのような派手さはないが、じっくり眺めるとなかなかに面白い。
例えば「菜種油」をはじめとする菜の花の多段階活用を市民、企業、行政と一緒に取り組むことで、地域に合った循環型ビジネスモデルの構築を目指す「秋田県立大学工農融合研究プロジェクト」の展示。また「佐賀大学 理工学部 機能物質化学科 化学工学研究室」による、ミカンやリンゴのジュースを作った際に出てくるジュースカスが様々な金属イオンと強く結合する特性を活かした、空気中の砒素やリンを除去・回収に利用する技術の開発など、実に興味深い内容だった。

大学展示コーナーの様子。

こちらは「秋田県立大学工農融合研究プロジェクト」のブース。実際の搾油機が置いてあり、菜種から油を取る様子を見ることができた。
船井総合研究所
設備装置、製品、研究成果などを紹介するブースの中、異色ともいえたのが経営コンサルティングの「船井総合研究所」のブース。広大なブース内で、これまで全国各地の企業、農地といった現場での幅広い支援実績に基づく、同社独自のビジネスモデルや先進事例を紹介していた。さらにバイオマス相談・経営相談コーナーを設け、事業者や関係者からの相談を受け付けていた。さらにブース奥では、無料セミナーを開催。「食品リサイクルが変わる!地域ネットワーク化モデル」、「循環型社会を支える新たな農業展開」、「異業種からの画期的な挑戦!食品リサイクル事業化事例」、「環境意識を育てる教育現場での新しい取り組み ~環境・農業・食育への展開~」といったテーマのセミナーが毎日開かれ、大変な盛況振りであった。

セミナーには毎回多くの人が集まっていた。
▼参考Webサイト
船井総合研究所
記念すべき第1回となった「バイオマス総合展2007」。展示内容も幅広く、全国からバイオマス関係者が一堂に会する機会として、大変意義深いイベントとなった。
もっとも気になった点もいくつかある。例えばバイオマスという専門的な分野だけに、来場者はやはり関係者、研究者風の人が多く、一般のお客はあまり見受けられなかった。イベント内容を考えるとそれも致し方ないのだが、バイオマスの“啓蒙”のため、より一般人の興味も引くような展示の工夫がもう少しあっても良かったのではないだろうか。また、バイオマス原料の需要の高まりと同時に懸念される、「食料価格の高騰」、「開発による熱帯雨林などの破壊」といった問題にズバリ答えてくれるような展示やセミナーが、今後は必要とされてくるかもしれない。
いずれにせよ、急速な勢いで進歩するバイオマス利活用の技術。この1年でどのような発展を遂げていくのか。また何か画期的な発明は生まれるのだろうか。来年度も行われるであろう「バイオマス総合展」に期待したい。

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