続いて壇上に上がった上原氏は、「環境報告書の編集にあたり、京都市からも『ステークホルダー委員』という形で人を派遣することで、京大関係者の環境に対する関心の高さをあらためて感じました」と述べた。
1997年(平成9年)の京都議定書誕生以来、京都市も二酸化炭素をはじめとする地球温暖化ガスの削減に取り組んでいる。結果、排出量は産業部門では削減できているが、逆に運輸・家庭部門では増えており、トータルでは横ばい。目標達成のためには予断を許さない状況だ。
これまで運輸部門では、排出量を減らすためにバイオディーゼル燃料化に取り組んできた。既にゴミ収集車では100%、市バスでは軽油として30%の燃料にバイオディーゼルが使用されている。その成果をまとめた『バイオディーゼル燃料ハンドブック』も発行された。
実は、このバイオディーゼルの原料には市民から回収した、てんぷら油が利用されている。100カ所の収集拠点は市民のコミュニティが運営する、まさに“地産地消”のプロジェクトであり、農林水産大臣賞も受賞している。

京都市副市長 上原 任 氏
「世界に通用する研究水準を誇る京大が、市民、行政、事業者も参画した環境報告書を発行し、シンポジウムを開催することは、大変ありがたいことです」と上原氏は述べた。
こうした動きを、今後は、京都市だけではなく、世界に環境支援を広げていきたいとの考えで、その1つが、2月16日から18日に開催された「気候変動に関する世界市長・首長協議会」京都会議である。“脱温暖化”に向け、世界の自治体の首長が認識を共有し、協力していくことを目的としている。
京都市は地域の4分の3が農地や山地だ。市民が自然を身近に感じ、愛着を持ちやすいという地域特性から、生ゴミのバイオマス化や材木の利活用で、地産池消の地域循環システムを構成できる可能性がある。
来年(2008年)からは、京大と京都市が協力して、「バイオマス利活用プロジェクト」を本格的に始動するという。「京都議定書発祥の地として、循環型社会の実現への取り組みを世界へ発信していきたい」と上原氏は締めくくった。
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