「環境報告書に見る京都大学の環境への取り組み」(前編)
●京都大学は、2006年9月に『京都大学環境報告書2006』を発行した。その特徴は、大学当局による実態調査報告だけでなく、学生、地域住民、行政、事業所などと協力して内容を吟味し、今後に生かすための提言が随所に盛り込まれていることだ。
●去る1月31日、この報告書の発行を記念して、京都大学百周年記念ホールにおいて、「京都大学環境報告書2006発行記念シンポジウム ~『脱温暖化宣言』にむけて~」が開催された。その模様を前・後編に分けて紹介しよう。
取材・文/板垣 朝子、写真/佐藤 久

■京都の美しい四季と自然を守るために大学と行政の緊密な連携を
「京都大学環境報告書2006 発行記念シンポジウム」は、京都大学総長である尾池和夫氏と、京都市副市長の上原任氏の挨拶で幕を開けた。

京都大学 総長 尾池 和夫 氏
挨拶の冒頭で尾池氏は、環境報告書の完成にあたり多くの方々にお世話になったと謝辞を述べた後、「地域社会の構成員として、大学は市民に情報公開しなくてはいけないと考えていました。今回の報告書もその一環です」と続けた。
京都市は大学の多い街であり、人口の10%を大学関係者が占めている。中でも京都大学は、学生・教職員合わせて3万人が暮らす大学であり、環境に与える影響も大きい。
「私の趣味である俳句の世界でも、温暖化の影響で季語と実際の季節が合わないことが増えています」(尾池氏)。
石油・石炭などの化石燃料は、地球の長い歴史の中で、何億年もかけて二酸化炭素(CO2)を地下に化石として固定したものだ。それを短時間でどんどん掘り出して燃やしているのが今の人類であり、温暖化とは地球が息苦しくなっていく姿でもある。

京都大学 総長 尾池 和夫 氏
京大では、2010年までに京都府・京都市が達成すべき二酸化炭素排出削減目標の達成に向け、京大がどのように協力していくかを検討。ゴミをできるだけ出さずに、人類と自然が共存できる社会を作るための研究を進めて、“美しく住み良いキャンパス”を実現することで、一京都市民として、京都市の美しい四季と自然を守ることに貢献していきたいと考えている。
尾池氏は、「今回のシンポジウムを、そういうことを考えるきっかけにしていきたい」と挨拶を締めくくった。
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