このページの本文へ
ここから本文です

てっきり合併槽が着いていると思っていた僕は、ある時、浄化槽の型番を見ていて、単独槽であることを知り、呆然。あわてて建築会社に連絡を取り、契約書を確認して、「では、合併槽と交換してください」と頼んで、60万円かけて交換してもらいました。

環境のことを仕事にしている人が、単独浄化槽で浄化の足りない下水を垂れ流しではシャレになりません。それにしても、チェックミスでムダな出費をしてしまいました。はじめから気づいていれば、差額20万円程度で済んでいたはずです。我が家から掘り出された浄化槽のその後が気になりますが、確認がとれませんでした。まだ十分使えるので、どこかで再利用してくれることを祈っています。

「すべての人は下流に住んでいる」という言葉があるのですが、つまり、ほとんどの人が上流にいる誰かの下流側に住んでいる、という意味です。我が家で使った水は浄化槽できれいになり、敷地内の浸透枡で地面にしみこみます。

しかしここは標高600メートル。しみこんだ水はいずれ地下水になり、下流のどこかで地表に現れて、上水道目的で取水されることもあるでしょう。ここは富士川水系なので、甲府盆地や、さらに下流の富士宮、富士市などでは僕が使った(トイレから流れた水も含めて)水を飲んでいることになります。僕ら自身も、もっと上流の人がつかって浸み込んだ水を使っています。水は、常に使い回されているのです。

もちろん、その間、浄化槽や下水処理場で浄化され、地面に浸透する過程で天然の浄化を受け、さらに上水道の処理場できれいにされて使われるのですが、同じ水であることには代わりがありません。下流の人々の水の安全は上流の人の行動が支えているのであり、それだけに、水を汚さないことは、他者の健康、安全や生命に大きな影響をもつことだとわかります。

いま自分が使った水が、下流の誰かの飲料水になるかもしれないと、そう考えてみてください。あるいは、いま飲んでいる水は、上流の誰かが汚しすぎないように注意してくれたから、飲めているのだと想像してみてください。水をなるべく汚さないことがいかに重要か、わかると思います。

渡辺 パコ

インターネット上に浮かぶ総合マガジン&メディア「知恵市場」主宰。グロービスマネジメントスクール講師(ロジカルコミュニケーション、クリティカルシンキングクラス担当)。有限会社水族館文庫代表。

主な活動領域は、環境戦略、ベンチャービジネスのスタートアップ、ナレッジマネジメント、コーポレイトコミュニケーションなど。

1960年東京生まれ。学習院大学哲学科卒。コピーライターとして広告、会社案内の制作、PR戦略の企画立案などを担当。88年に独立して100社以上にコーポレートコミュニケーションプランを提供する。98年からコンサルティング業務を開始。

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

ここから下は、過去記事一覧などです。画面先頭に戻る バックナンバー一覧へ戻る ホームページへ戻る

記事検索 オプション

SPECIAL

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る