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環境的に「住む」〜太陽エネルギーを取り入れる

2005年8月25日

住まいを環境面から考えるとき、今ならばオール電化住宅など設備面からのアプローチが多いと思います。しかし、実際にはそれ以前に考えておきたいことがあります。それは、「自然と付き合う住宅」という視点です。つまり、利用できる自然はうまく利用し、厳しすぎる自然はうまく排除する、ということです。そしてそのキーになるのが、太陽のエネルギーと、そこから生まれる風の利用です。

日本の住宅はすっかり欧米化したので、明治以前の住宅の造りはすっかり失われました。もちろん、それには理由があるので、ノスタルジックになる必要はありません。しかし、かといって、欧米、特に北欧など、寒い地域の住宅のスタイルが、日本で有効なのか、という点は考えておく必要があります。

強い日差しを有効に利用して暖かい冬を

日本と欧米の違いは、同じ温帯地方であっても、日本はかなり低緯度に位置するという点にあります。東京の緯度は、北緯35度ですが、ニューヨークは北緯40度(日本では青森県ぐらい)、ロンドンは北緯51度。欧州で東京ぐらいの緯度となると、イタリア半島の南端を下り、地中海上、ジブラルタル海峡ぐらいの位置です。このことは、日本が「暑い」ということ以上に、「日本は日差しが強い」ということを意味しています。ということは、この強い日差しをどう扱うかが、住宅の環境性能に大きく影響するのです。

欧州の家、特に北欧の家は、いわゆる「お菓子の家」のようなイメージで、壁が広く、窓が小さく、結果的に昼までも薄暗い感じの家の造りです。これは、寒い冬、暖房の熱を逃がさないことを大きな目的につらくれたことを意味しています。緯度が高いので、冬は日の出が遅く、すぐに沈んでしまいます。窓があってもそもそも日差しが少ないので、恩恵にあずかれないのです。これに対して日本の冬は、欧米の主要都市と比べると日の出が早く、日の入りが遅い。つまり日照時間が長く、日差しの角度も「立って」います。

もちろんこれは、雲がない場合の話で、冬の太平洋側は一般的に晴天が多いので、この日照の恩恵を、欧米に比べてずっと受けやすいのです。日本海側では曇が多く、雪も降るので、日照は少なくなりますが、昼間の時間の長さは十分長いので、この昼の長さを活かす家造りが重要です。

具体的には、南面の窓を広く取り、冬の日照をなるべくしっかり取り入れること。僕の家では天井近くまでの大きな窓を南面につけたので、日差しの低い1月ごろは、部屋のすみずみまで日光が差し込みます。このため昼間は暖房がほとんど必要ありません。

雲が多い日本海側でも、多少大きめの窓をつくることで部屋に光を入れ、昼間照明を使わないですむ家にすることが可能です。冬の暖房は家庭で消費されるエネルギーの28%ほどを占める大きな消費項目ですから、冬の太陽光を部屋に入れる住宅は環境によい住宅といえます。太陽光によって暖房エネルギーを少なくする寒さ対策のために窓を小さくすると、冬の太陽の恩恵にあずかれないのです。

その一方で、窓が大きいと、室内の熱が外に逃げやすくなるという矛盾も抱えてしまいます。壁には高性能の断熱材を入れますが、窓ガラスは断熱性能が低く、外の冷気で室内をどんどん冷やしてしまうのです。この問題を解決するためには二重ガラス、三重ガラスなど、高断熱の窓が有効です。二重、三重ガラスを使った大きな窓が、冬の環境性能を決めるのです。

とはいえ、大都市内では南向きを窓を大きくとることは難しくなります。そこで太陽のエネルギーを有効に使う方法として、「OMソーラー」があります。OMソーラーを採用した住宅では、屋根の熱を床下に送って床下の分厚い基礎コンクリートを暖めておき、その熱を夜間、ゆっくり放出させて家を暖かくしています。太陽のエネルギーをシステム的に無駄なく使えるので、環境にはよい方法です。

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