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コメント:今回の記事は、人間の価値観に従い、豊かな自然というものを決め付けています。痩せた木、倒れた木ばかりなどが悪い自然のキーワードとなり、太い木、しっかりした木がよい自然のキーワードとなっています。

人間が作り上げた森が、豊かな森になるのは当然です。果物だって、人間が品種改良をしたから、あんなに大きな実がなる木に育つのです。豚と猪、どちらが繁栄しているかは、考えるまでもありません。

ところが、いくつか落とし穴があります。倒木は、人間にとって、まったく不必要な木です。でも、自然の循環の中では、重要な働きをしているかもしれません。少なくとも、森の生物の多様性を支えているでしょう。木自体の種類の多様性も、人間が再現するのは不可能です。人間は、人に対する効用で自然を見てしまいがちですが、建築材料、CO2の吸収源、山の保全だけで評価すべきではありません。

また、この記事とまったく同じ考え方で、戦後の森林で杉ばかりが植えられ、木材の需給が変わった途端、山が荒れてしまった実例がすでにあります。最適化というのは、前提条件が少し変わると、まるっきり逆の結果になることも考える必要があります。

(風船、2008/09/14)

reply:確かにご指摘の点はよくわかります。僕が管理しているPresent Tree「ヤマガラの森」はどうかといえば、比較的手を入れている方だとは思いますが、実際のところ、倒木や落ち葉、雑草、細い木などが多く、「手入れされた森」とは言い難いほど、乱雑な状態です。人が少々手を入れても、自然の勢いの方がはるかに強く、太い木や豊かな実りにするのは非常に困難です。あまりに混沌とした状態にならないように、なんとか森らしい姿を実現していくという程度のもので、おそらくイメージされているような、すっきりとした人工的な空間とはほど遠いものです。がんばったつもりでも、その程度のものなのです。

前回も書きましたが、人間が森に対してできることは自然の動きの一部を助け、一部を弱めるという程度がせいぜいで、人間にとって不要な木をゼロにして有用なものだけにするほどの力はありません。重機を入れ、人手を存分にかければできますが、自然の力が優位になる程度の管理なら、ご心配のようなことは起きないというのが実際のところです。むしろ手を入れることで自然の豊かさは増すのですが、それについてはまた次回以降、お話ししていきたいと思います。

渡辺 パコ

インターネット上に浮かぶ総合マガジン&メディア「知恵市場」主宰。グロービスマネジメントスクール講師(ロジカルコミュニケーション、クリティカルシンキングクラス担当)。有限会社水族館文庫代表。

主な活動領域は、環境戦略、ベンチャービジネスのスタートアップ、ナレッジマネジメント、コーポレイトコミュニケーションなど。

1960年東京生まれ。学習院大学哲学科卒。コピーライターとして広告、会社案内の制作、PR戦略の企画立案などを担当。88年に独立して100社以上にコーポレートコミュニケーションプランを提供する。98年からコンサルティング業務を開始。

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