温暖化は防止できる? 「バックキャストとフォアキャスト」(後編)
この連載は、今回でちょうど100回目になります。ちょっとうれしいですね。引き続きいろいろは側面から情報発信していきますので、お読みいただけますよう、お願いします。
さて、今回のテーマはちょっと難しかったでしょうか、コメントがありませんでした。
環境に関わっている人の間でも、バックキャストとフォアキャストをつなぐ発想ができる人は限られている、というか、ごくわずかかもしれません。フォアキャストに強い人は、現実派であり、ともすれば「このままでは未来はない」と悲観的になります。バックキャストに強い人は理想主義的で、現実に目を向けずに「桃源郷」(中国の故事に登場する桃の花咲く理想郷)を描くことに意識が向きがちです。この相矛盾する両方に軸足をおく必要があるのが難しいところなのでしょう。
しかし、環境問題はもちろん、貧困や感染症(エイズなど)など、今世界が直面している問題の多くは、このバックキャストとフォアキャストの接点に解決策があります。大学などで、この分野を学ぶ機会を増やしていくべきだと思います。
バックキャストとフォアキャストをつなぐために、一番必要なのは、考える力です。特にものごとを因果関係でとらえ、何が何をもたらすかというつながりで思考する力が重要で、僕自身は「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」という名前でこの分野を教えていますが、システム思考と呼ばれたりもします。
因果関係を適切にとらえて、過去のある出来事が今CO2の増加につながっていて、これからやることによって、未来にCO2がこのように変化する、というように、つながりをもって考えていく力です。この考え方は、「問題解決」の力そのものであり、今多くのビジネスパースンが求められている基礎能力といえます。今の業績がこの数字なのは、過去のこういう打ち手の結果であり、この業績をさらに増やすためには、今これをやればいい、という思考ですね。
もちろん、会社全体の業績だけでなく、もっと身近な問題の解決にも使います。たとえば残業が多すぎる人が、残業を減らすためにどうしたらいいかを考えると言ったことです。よくやってしまうのは、「残業が多い」ので、「課長にいって仕事を減らしてもらう」という解決策をすぐ考えてしまうことですが、これではものごとは解決できません。
まず、「残業が多いのは本当か、どの程度の残業ならいいのか」を考えておきます。残業時間の理想を考えるわけです。残業はゼロの方がいいとも言えません。収入も減ってしまうので、ある程度はやりたいし、現実、やらざるを得ない、というのもあるでしょう。そこで、生活の質も確保しつつ、ほどよい残業はどのぐらいか、考えます。これがバックキャストですね。
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