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行政はどんな役割を果たせる?(後編)

2007年2月13日

今回のテーマは、コメントが少なく、難しかったでしょうか。日経BP社のサイトに来るかたはビジネス関係の方が多く、行政や政治のテーマになると、関わりにくかったということかもしれません。

まずはいただいたコメントへのreplyから。

コメント:何をするにもカネカネとよくいわれますが、税金を使って誰も通らない農道をつくったり、観光地に風車や太陽電池を置いたりするのは自治体の仕事ではないでしょう。政府の仕事でもないはずです。権力があるのですから、行政(本当は議会が立法の役目を担うはずですが、実質的に行政=立法でもあるので)には「役に立つ制度」を作って欲しいです。例えば、景観保護の建築許可制度であったり、週末の繁華街交通規制であったり、自然エネルギー発電がペイするような法制度であったり、税金を使わなくても制度を変えることでできることはたくさんあると思います。カリフォルニア州は独自に自動車排ガス規制をやっていますし、小田原市も小田原城より高い建物は建築許可しないということをやっていますね。予算や補助がないと何もできないというのは、古い硬直した考え方です。省エネルギー(予算)で、人や企業が自分から動きたくなるような制度作りを求めたいと思います。

(si、2007/02/08)

reply:実にその通りだと思います。今自治体に求められているのは、まさに指摘いただいているような、地域をどうつくるか、というコンセプト作りです。街並みをどうするのか、エネルギーについての考え方、ゴミ処理など、それぞれの地域にあった戦略を市民とともに考え、具体化していく力だと思います。特に身近な自然に関する選択は重要で、前回のテーマ「里山」もそうですが、どのような考えをもとに、どのような自然環境の町にしていくのか、成り行き任せではない積極性が必要です。もちろん、そのためには住民自身が、働きかけをおこなっていくことが必要なんでしょうね。東京の世田谷区では、住民がこういった発案をして住民自身が意思決定できるように、街づくりの会議を行うリーダーを育成するセミナーを開いています。一体が「どうしましょうか?」と住民に聞くのではなく、住民に発案するためのツールを提供するという発想は、本質を突いていると思います。

さて、行政と市民との連携で成功した例としては、たとえば、徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」があります。最近はTV番組でもしばしば紹介されているので、見たことのある方もいると思います。

徳島県上勝町はもともとミカン農家が多い小さな町でした。しかし台風でミカンが壊滅的な打撃を受け、それをきっかけに、カエデの葉など、季節感のある「つまもの」を、京都の高級料亭などに販売するという新しい商品を開発し、今では全国の8割を生産する「オンリーワンブランド」になっています。

この上勝町の「葉っぱビジネス」の中心を担っているのは、町役場の中にある第三セクターで、ここのおもしろいところは、高齢者が多い農家に対して、かなり徹底した競争原理を導入したことでした。

カエデの葉や桜の花など、季節感のある商材の注文があれば、その情報を町内の全農家にまったく平等に公開し、入札方式で受注を決めます。参加している生産農家のほとんどは高齢者ですが、付加価値の退会特別注文品の入札があるタイミングでは、対象商品や数量の予定がいっせいにファクスで送られてきます。農家ではおじいちゃん・おばあちゃんがファクスの前に携帯電話をにぎりしめて座り、狙った注文が来ればその場で競い合って受注合戦を繰り広げるのです。

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