CO2を積極的に減らす方法はある?(後編)
コメント、ありがとうございます。いろいろな視点があるので、興味深いです。
コメント:二酸化炭素を減らそうとする上で、排出権取引なるものが存在しています。そういったもの自体があることがすでに、二酸化炭素削減の妨げになっていると感じます。排出権の上限より少なく抑えていられるならば、それが理想であり、余剰分を売り買いするという行為そのものが有り得てはいけないのではないでしょうか? 排出権は売り買いできることから、「二酸化炭素を出してもいい権利」を主張しているように見えます。このような概念を取り去ることも二酸化炭素削減につながると思います。
(SEAK、2006/07/21)
reply:理想という点では、SEAKさんの言うとおりです。何らかの方法で排出が減らせれば、その減った分を誰かに「出していい権利」として売るというのは、本来おかしな話です。この点については京都議定書が決まったCOP3(気候変動枠組み条約の第3回京都会議)でも大いに議論されました。
環境NGOの多くは、この排出権取引(京都メカニズム)にはSEAKさんと同様、反対でした。しかし、結局京都議定書は排出権取引を含めて締結・批准されて、今日に至ります。その間、さまざまな取り組みがされてきたのですが、当初反対だった環境NGOの多くが、今は京都メカニズムに賛成しています。なぜか? それは、「理想」と追って、だれも動かないより、少々問題はあっても、それによって多くの人が関心を持ち、行動を起こすなら、その方がいいということです。
実際、排出権取引のしくみがあることによって、企業、特に欧州と日本の企業は、排出権取引が国際的に正式に始まることをにらんで、CO2削減に取り組み、取引が始まったらより有利になるように準備を進めています。もし排出権取引というしくみがなかったら、おそらくこういう行動は消極的なもの(規制があるから、仕方なくやる)になっていたでしょう。
もうひとつ注意したいのは、京都議定書も京都メカニズムも、「はじめの一歩」であって、これが最終的な解決策ではないということです。京都議定書は、あくまで、多くの国や企業、市民を、CO2削減という同じスタートラインに着かせることをめざしたもので、結果をきちんと出すということは、その次の取り決めに任せることになっています。そういう長期的な戦略の中に位置づけられているということで僕は理解していますが、もちろん、SEAKさんのような考え方の方が、本当は正しいのかもしれません。
next: 都会中心の消費社会の限界を感じ…
あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください
この連載のバックナンバー バックナンバー一覧へ 画面先頭に戻る
- 自然と付き合う〜昆虫が増える(後編) (2008/10/02)
- 自然と付き合う〜昆虫が増える(前編) (2008/09/25)
- 自然と付き合う〜木を管理する(後編) (2008/09/19)
- 自然と付き合う〜木を管理する(前編) (2008/09/11)
- 自然と付き合う〜木を切る(後編) (2008/09/04)

