京都議定書、先進国と途上国(前編)
東京は、12月に入り、冬らしい寒さになってきたようです。季節感のある気候が、なんだかほっとさせる21世紀初頭です。今週は奇数の週なので、新しい「読者からの意見 /疑問」について考えてみましょう。
■今回考える、読者からの意見
アフリカ、中国、インドなどの発展途上国の今後の発展に伴う環境問題と京都議定書に批准しない最大の環境破壊大国米国の問題とをからめて今後の地球のありかたを考えていかないと、ちりつもの議論や努力ではとても追いつかない。
環境問題に関しては国の面子とかで行うべきものではないと思う。京都議定書に関してもアメリカの対応等はもっと非難されるべきものである。大国理論を通してはならない物には政府は強い姿勢で望むべきである。
今年2月、京都議定書が発行し、日本、EU、ロシアなどがCO2排出抑制の義務を負いました。2008年〜2012年の平均値で、1990年比、6%の削減義務を日本は負っています。しかし日本は1990年から現在までに、すでに8%の排出量が増加しているので、14%の削減をしなければなりません。基準年が始まる2008年まで、すでにあと2年しかありません。
ロシアは排出削減義務が0%で、達成は今のところ確実視されていて、EUもさまざまな努力によって、2002年までに、EU15カ国で2.9%、EU25カ国で9.0%の排出削減が実現しています。今後の対策で、2010年までにEU15カ国において8.6%の削減を達成できると見られています。
日本と並んで苦しいのがカナダで、すでに20%ほども増加してしまっていると見られ、達成が危ぶまれているという状況です。
とはいえ、議定書にサインしておきながら、ブッシュ政権への交代で離脱した米国が削減義務を負っていないし、急成長を続ける中国、インドのCO2排出も絶対量は多く、特に中国は人口も多いので、米国に次ぐ排出量の多さになっています。その中国をはじめ、途上国が、京都議定書では排出削減義務を負っていないという点が、問題点として指摘されがちなのです。
そもそも京都議定書では、なぜ先進国に削減気味を貸し、途上国は義務を課さなかったのでしょうか?
世界のCO2排出は、産業革命後に急増し、その主な排出源は先進国でした。地球温暖化という問題が具体的になってきた20世紀後半になって、解決策が必要だと考えられるようになったわけですが、そこまでの排出の主な責任は先進国にあり、ようやく成長してきた中国など途上国が、発展の機会を失うことは不公平だと考えられたのでした。
next: しかし京都議定書では…
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