第3回 先住民族の文化と環境問題
過去再見
江戸時代の生活様式を環境の視点から見直せという議論がある。一例として、政府も音頭をとって推進している3Rについて、江戸時代は糞尿まで肥料としてリサイクルしていたし、算盤から雨傘までありとあらゆる生活用品を修理する職人が町中を回遊してリユースが浸透していた。そして庶民は銭湯で入浴していたため一人あたりの消費エネルギーは現代よりも大幅に少量というリデュース生活であった。
地産地消についても、紀伊国屋文左衛門が紀州の蜜柑を江戸に、江戸の塩鮭を上方に輸送して大儲けをしたという逸話や、北国回船が日本海側の各地の産物を江戸や浪速に運送する一方、江戸の商品を日本各地に流通させていたという事実が明示するように、ある程度は他産他消であったが、分権体制で各藩が独立した経済圏域を構成していたため、日本全体は原則として地産地消経済であった。
しかし江戸時代と比較すると、現在の日本の人口は4倍近くに増加し、当時は存在しなかった自家用車や家庭電化製品などエネルギーを大量消費する道具や装置が社会に普及し、かつての生活をそのまま現代に導入することは困難である。エネルギーを消費する輸送手段が存在しなければ、食糧自給比率1%の東京は一日にして干上がってしまうのは必定であり、時代の精神を参考にするのがせいぜいである。
その結果、江戸時代の生活様式の大半は現代の日本からは消滅しているが、世界を見渡すと、伝統ある生活様式を維持しながら現代社会で生活している人々が存在している。その多数は先住民族と総称される人々であり、これまで近代国家により征服され、搾取され、虐待されてきた。しかし最近、その先住民族の復権が世界各地で顕著であり、昨年6月には「先住民族の権利についての国際連合宣言」も採択されている。
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