このページの本文へ
ここから本文です

米国はエコカー先進国となり得るか

ゼネラル・モーターズ(GM)で期待できる唯一の技術は、燃料電池車と電気自動車を主軸としたプラグインコンセプトである。

直近のGMの危機回生の秘密兵器は、プラグインハイブリッドの「シボレー・ボルト」であった(第4回コラム参照)。このボルトは基本的に電気駆動で走行し、バッテリー残量が少なくなるとエンジンが発電機として働いて電気を供給する。もちろんプラグインなので、外部電源から充電可能だ。

これから再生可能エネルギーにシフトすることが避けられないとするなら、電気駆動が有望な動力装置であることは間違いない。その一点に注目をすれば、新しいビッグ3に電気自動車や水素燃料電池車を一気に普及させるという大胆な政策を、オバマ次期大統領が決断するかもしれない。

クリントン前大統領は1993年に「PNGV(Partnership for a New Generation of Vehicles)」 という政策を打ち出している。その内容は2003年までに、燃費80マイル/ガロン(約34km/L、CO2換算で70g/km)のクルマを開発するというスーパーエコカー構想であった。

このポリシーはブッシュ政権では継承されずに、燃料電池車の開発を推進するエネルギー政策寄りの施策「Freedom CAR(Cooperative Automotive Research)構想」に変わってしまった(第4回コラム参照)。

オバマ新政権で国務長官に就任する予定のヒラリー・クリントンが、このPNGVを忘れているわけがないだろう。混迷を極める米国自動車産業だが、一気にエコカー先進国になる可能性が否定できないというのが、一筋の光明ではないだろうか。

GM「シボレー・ボルト」

2007年のデトロイトショーでお披露目されたGM「シボレー・ボルト」
(クリックすると拡大した画像が開きます)


清水 和夫(しみず・かずお)

プロフェッショナルなレースドライバーとして国内外の耐久レースで活躍する一方、自動車ジャーナリストとして活動を行っている。ドライビングを科学的に分析する能力はクルマの正確な評価にも生かされ、シャープな論評は支持者が多い。

ジャーナリストとしては国内だけでなく、海外にも活動を広げ、自動車の運動理論、安全、環境、ITSのみならず、自動車国際産業論にも精通し、多方面のメディアで執筆活動を行っている。本年10月には、日本放送出版協会より「ITS」を出版。

ボランティア活動としては、CRS普及活動を行っている「子供の安全ネットワーク・ジャパン」、「妊婦のシートベルト着用を推進する会」などの会をサポートしている。近年は、救急法(ファーストエイド)・AED(除細動器)の普及活動も行っている。


主な連載誌
『NAVI』、『ENGINE』


主な著書
 「ITSの思想」(日本放送出版協会)、「ディーゼルこそが、地球を救う-なぜ、環境先進国はディーゼルを選択するのか?」(ダイヤモンド社)、「クルマ安全学のすすめ」(日本放送出版協会)、「燃料電池とは何か-水素エネルギーが拓く新世紀」(日本放送出版協会)などがある。


著者のブログ
清水和夫の【みんカラ】ブログ「頑固一徹カズです!」
清水和夫の動画サイト「Start Your Engines」

ここから下は、過去記事一覧などです。画面先頭に戻る バックナンバー一覧へ戻る ホームページへ戻る

記事検索 オプション

SPECIAL

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る