過去のハイブリッド競争から学ぶべきこと
まず、ハイブリッドでホンダがトヨタに敗北したことから何を学ぶべきか考えてみることにしよう。
ホンダの最初の失敗は「インサイト」である。インサイトは、プリウスとVW「ルポ」のディーゼルモデルと燃費競争に高じていた(第6回コラム参照)。3台の燃費の差はわずかだったが、販売成績ではプリウスの一人勝ちであった。
インサイトは2人しか乗れず、販売台数が伸び悩んだ結果、2006年7月に生産中止となった。一方、VWルポはフェルディナント・ピエヒ会長(当時)の意地で開発したクルマで、コストの高さでプリウスとは勝負にならなかった。
プリウスは1997年に初代が誕生し、2004年には走りも強化された5ドアハッチで2代目が登場している。そのトルクフルな走りとEVモードが新しい時代の自動車を連想させ、燃費性能だけではなく、走る愉しさも人気の秘密であった。
それに対して、ホンダは「シビック ハイブリッド」で勝負をかけた。実燃費などではプリウスに迫る性能であるが、シビックはハイブリッド専用車種でなく、普通のシビックとなんら差別化が図れないために、ユーザーは振り向かなかった。
これまでのハイブリッド戦争の教訓から学ぶべきは、経済性やエコ性能だけでは市場を制することができないということだろう。いかに魅力あるエコカーを開発するか、ここが重要なポイントになる。
ホンダは2009年1月に開催される北米国際自動車ショー(デトロイトショー)で、新型インサイトを発表する。今回は5ドアハッチで5人乗りのハイブリッド専用車で、しかもプリウスよりも安く提供できるという。
それでは本題に戻ろう。ビッグ3にはいずれ公的資金が注入され、国有化される可能性さえある。そのとき、ビッグ3はどんなクルマをユーザーに提供するのだろうか。新しい魅力的なクルマを開発することは可能だろうか。
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