ハイブリッドは救世主ではない!?
自動車産業は地球規模でネットワークを広げているために、蜘蛛の糸のようにいろいろな企業や国が複雑に絡み合っている。現在、経営危機に瀕しているビッグ3(米自動車大手3社)がもし破綻すれば、世界中の国や企業を巻き込んで大混乱が生じることは容易に想像できるだろう。
12月6日の一部報道によれば、米政府はビッグ3が要求していた340億ドル(1ドル100円計算で3.4兆円)を認めず、結果的に150億ドルの支援を検討するという。この資金でとりあえずクリスマスを越せるわけだが、これからビッグ3がどのように再生し、いかにして魅力的なクルマを開発するのかが気になるところだ。
ビッグ3は再建計画の骨子のなかで、ハイブリッド車や電気自動車などのエコカーの開発に力を注ぐと公約しているそうだが、そう簡単な話ではないことは当事者たちが一番よく知っている。
トヨタ「プリウス」のようなハイブリッド車を作らなかったことが、今回の経営危機の原因だとすると、トヨタ以外のメーカーはすべてビッグ3と同じように危機に瀕しているはずだ。実は、世界中でハイブリッド車が人気だという認識は正しくない。ホンダやフォード・モーターもハイブリッド車を出しているが、成功しているのはプリウスだけで、それ以外は売れていないのである。
実際に米国における2008年3月単月のハイブリッド車販売実績を見てみると、その状況がよくわかる。プリウスが約2万台であったのに対して、カムリのハイブリッド車は6000台、レクサス(RX/LS/GS)はほとんど売れていない。
また、ホンダのハイブリッド車では「シビック」が約4000台。「アコード」は2007年6月に生産中止となっている。日産の「アルティマハイブリッド」もごくわずか。米メーカーでは唯一フォードがSUVの「エスケープ・ハイブリッド」を出しているが、3000台弱に過ぎない。つまりハイブリッドは救世主になっていないのである。
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