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スポーツカーとしてのR8の非凡さ

1年前に日本でデビューしたR8のボディサイズは、兄弟車であるランボルギーニ・ガヤルドよりも一回り大きいが、全長×全幅×全高は4431 mm×1904 mm×1252mmと、意外にもコンパクトな印象だ。ホイールベースは2650mm。

キャビンの大きさは十分確保されており、室内にはゴルフバッグも積めるスペースが与えられている。さらにフロントのフードの下には約100Lのラゲージスペースが用意されているのだ。もちろん前端部は前面衝突で有効なクラッシュボックスが備わり、最高水準の衝突安全性能を有している。

ガヤルドよりも進化したASFなので、さらなる軽量化が図られており、ホワイトボディ重量はガヤルドの250kgに対して、R8は210kgと、とても軽い。しかし、実際の車両の重量はガヤルドの1430kgに対して、R8は1630kgと重くなっている。ガヤルドよりも一回り大きくなったことで装備品や防振材などが増えたことが影響しているのだろう。

エンジンは「Audi RS4」と同じ、4.2リッターV型8気筒直噴エンジンが搭載される。最高出力は420PS/7800rpm、最大トルクは43.8kgm/4500-6000rpmと、数値だけを見るとおとなしい。しかし、実際には0-100km/hが4.6秒、最高速度は301km/hと十分なパフォーマンスを持つ。

さらにV型12気筒ディーゼルを搭載したR8が近いうちに欧米で発売されるようだ。6リッターV12ディーゼル搭載のR8こそ、ルマン24時間レースで活躍するディーゼルレーシングカーの直系であるが、これもやはりアルミボディであることを忘れてはいけないだろう。

全体の印象としては、ポルシェやランボルギーニ・ガヤルドと違って荒々しい部分はほとんどない。R8はアウディらしい知的でクールなスポーツカーなのである。

気になる燃費は4.2リッターV8エンジンを搭載しているにも関わらず、実際は悪くない。ロングドライブではリッター当たり10km近い値をマークすることができた。軽量ボディと空気抵抗の小ささが利いているようだ。

アウディはクワトロ技術(四輪駆動)と並んで、アルミボディ技術でもライバルを引き離したいと考えている。軽量化はエコと走る愉しさを両立できる、極めて重要な技術だと言えるだろう。

Audi A8 4.2 FSI クアトロ   ゆったりとしたキャビンスペースを確保   アウディA8 4.2 クワトロの骨格構造
Audi A8 4.2 FSI クアトロ   インテリア   骨格構造

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清水 和夫(しみず・かずお)

プロフェッショナルなレースドライバーとして国内外の耐久レースで活躍する一方、自動車ジャーナリストとして活動を行っている。ドライビングを科学的に分析する能力はクルマの正確な評価にも生かされ、シャープな論評は支持者が多い。

ジャーナリストとしては国内だけでなく、海外にも活動を広げ、自動車の運動理論、安全、環境、ITSのみならず、自動車国際産業論にも精通し、多方面のメディアで執筆活動を行っている。本年10月には、日本放送出版協会より「ITS」を出版。

ボランティア活動としては、CRS普及活動を行っている「子供の安全ネットワーク・ジャパン」、「妊婦のシートベルト着用を推進する会」などの会をサポートしている。近年は、救急法(ファーストエイド)・AED(除細動器)の普及活動も行っている。


主な連載誌
『NAVI』、『ENGINE』


主な著書
 「ITSの思想」(日本放送出版協会)、「ディーゼルこそが、地球を救う-なぜ、環境先進国はディーゼルを選択するのか?」(ダイヤモンド社)、「クルマ安全学のすすめ」(日本放送出版協会)、「燃料電池とは何か-水素エネルギーが拓く新世紀」(日本放送出版協会)などがある。


著者のブログ
清水和夫の【みんカラ】ブログ「頑固一徹カズです!」
清水和夫の動画サイト「Start Your Engines」

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