第49回 アウディがこだわる軽量アルミボディ
燃費向上に寄与する車体の軽量化
自動車に限らず、乗り物のエネルギー効率を高めるにはボディの軽量化が有効である。つまり、今後ますます厳しくなる燃費競争を勝ち抜くために、徹底的な軽量化は避けて通れない。その課題を解決するための素材として期待されるのがアルミだ。今回はアルミボディを積極的に採用するアウディの取り組みについてレポートすることにしよう。
アルミボディというと、オートバイや航空機の世界では当たり前なのだが、なぜか自動車ではあまり採用されていない。アルミは1950年代には便利な素材として多くの自動車に使われていた。しかし、70年代以降に生産された乗用車を見てみると、アルミは珍しい素材になっている。その理由は、アルミのコストが高いからだと言われている。
実は、我が家には古くから存在するアルミボディのスポーツカーがある。1990年にホンダから発売された本格的なミッドシップ(乗員とリアタイヤの中間にエンジンを配置する方式)スポーツカー「NSX」だ。
このクルマは当時、フルアルミボディで設計されたことが話題となった。アルミ素材の採用はエコのためよりも速く走るためであった。車体重量の軽量化はスポーツカーにとって極めて重要な課題なのである。
しかも、アルミには腐食しにくいというメリットもあり、20年経っても新車のときと同じようなボディの剛性感を持っている。軽量化と耐腐食性、さらにはリサイクルのしやすさを考えると、アルミはとても環境に優しい素材だといえる。
ちなみにアルミニウムは天然鉱石のボーキサイトから生成されるアルミナを電気分解することで得られる。精錬プロセスに要する電力量は非常に多く、“電気の缶詰”と揶揄(やゆ)されるほどだ。さほど電力を必要としない精錬方法が開発されるか、自然エネルギー由来の電力を活用できるようになれば、アルミはもっと環境に優しい素材となるだろう。
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