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次世代クリーンディーゼルこそ本命

そんな三菱自動車のディーゼルの大本命は今年1月に開催されたデトロイト自動車ショーで発表した次世代クリーンディーゼルだ。三菱重工のターボ技術をフルに生かしたクリーンディーゼルは2Lの4気筒で、2009年秋には登場しそうだ。当然、欧州の「ユーロ5」、アメリカの連邦基準「Tier II Bin5」、日本の「ポスト新長期」をクリアすることになる。

このエンジンはアルミブロックで作られ、まずは「ランサー」に搭載する計画だ。もし、「エボ10」(ランサーエボリューションX)が採用したツインクラッチと組み合わせることができれば、「走る愉しさとエコ」を両立する、とても魅力的なパワートレーンが完成するだろう。日産やホンダやスバルがディーゼルと組み合わせる2ペダルATに苦労していることを考えると、三菱自動車の一発大逆転はありそうだ。

以前、私は日産に「『GT-R』にV型6気筒クリーンディーゼルを搭載し、『GD-R』と命名して販売すると面白い」と進言したことがあった。だが、2009年のランサーに、軽量アルミブロックと高価なピエゾ・インジェクタを持つハイテクのディーゼルエンジンを搭載するなら、ディーゼル仕様のGTカーが三菱自動車から誕生することになる。

そのディーゼルの技術的なハイライトは三菱重工と共同で開発している新型タービンにありそうだ。このターボチャージャーは排気ガスの流量が変わっても、常に最適なブースト圧をコントロールできるVG(バリアブル・ジオメトリー)タービンを使い、しかもコンプレッサ側でも圧縮空気を可変できるVD(バリアブル・ディフューザー)を組み合わせている。まさにディーゼルやガソリン直噴ターボの肝の技術で、最近ではメルセデスやフォルクスワーゲン、ポルシェ、BMWが必死になって開発している技術だ。

やがてこの次世代クリーンディーゼルが完成すれば、パジェロにも、パジェロスポーツにも搭載されることは間違いないだろう。三菱自動車の将来はディーゼルと電気自動車技術にかかっていると言っても過言ではないのである。

三菱自動車「パジェロ」   取材中の筆者

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清水 和夫(しみず・かずお)

プロフェッショナルなレースドライバーとして国内外の耐久レースで活躍する一方、自動車ジャーナリストとして活動を行っている。ドライビングを科学的に分析する能力はクルマの正確な評価にも生かされ、シャープな論評は支持者が多い。

ジャーナリストとしては国内だけでなく、海外にも活動を広げ、自動車の運動理論、安全、環境、ITSのみならず、自動車国際産業論にも精通し、多方面のメディアで執筆活動を行っている。本年10月には、日本放送出版協会より「ITS」を出版。

ボランティア活動としては、CRS普及活動を行っている「子供の安全ネットワーク・ジャパン」、「妊婦のシートベルト着用を推進する会」などの会をサポートしている。近年は、救急法(ファーストエイド)・AED(除細動器)の普及活動も行っている。


主な連載誌
『NAVI』、『ENGINE』


主な著書
 「ITSの思想」(日本放送出版協会)、「ディーゼルこそが、地球を救う-なぜ、環境先進国はディーゼルを選択するのか?」(ダイヤモンド社)、「クルマ安全学のすすめ」(日本放送出版協会)、「燃料電池とは何か-水素エネルギーが拓く新世紀」(日本放送出版協会)などがある。


著者のブログ
清水和夫の【みんカラ】ブログ「頑固一徹カズです!」
清水和夫の動画サイト「Start Your Engines」

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