燃料電池車と電気自動車の普及は近い?
地熱と水力で得られる電力は人口30万人の国家としては有り余るエネルギーだ。そこでアイスランドでは自然エネルギーをいかにして利用して、国家の産業にするのか思案してきた。そこで注目しているのが「水素」と「アルミニウム」である。
アイスランドは北大西洋に浮かぶ島国なので電気をそのまま国外に持ち出すことは不可能だ。そこでまず、自然エネルギーの発電コストの安さに注目し、アルミニウム工場の誘致に成功している。アルミはボーキサイトから作られるが、その90%が電気と言われ、「アルミ=電気の缶詰」とも言われているので、自然エネルギーから作るアルミ産業はとても良いアイディアであるはずだ。
もう一つの重要な施策は豊富な電力で水素を作る(電気分解)水素エネルギー産業計画だ。作られた水素は天然ガスのパイプラインを利用して北米と欧州全土に供給する。
アイスランドの「水素エネルギー社会」の実現に向けた壮大な計画は2002年4月24日に発表されている。同国の官民共同コンソーシアムは将来の水素エネルギー社会について世界各国から関係者を集めて、ワールドコンファレンスを開催した。
このコンファレンスに参加していた私は、実はこの時からアイスランドは「水素の国」というイメージを持っていたのである。自動車に水素を使うと、その技術が燃料電池車でも水素エンジンでも、環境への負荷が限りなくゼロに近くなる。しかも自然エネルギーで電気と水素を作るならば、ほとんどCO2を出さない理想的なエネルギー社会が可能となる。
自動車先進国では水素燃料電池車を必死に開発しているものの、水素エネルギーの供給インフラや水素の生産方法では多くの課題が残されている。
しかし、アイスランドならガソリンスタンドはわずか500カ所しかないので、一気に水素インフラも実現できそうだ。燃料電池技術の分野では最先端を行く日本やドイツやアメリカよりもはるかに早く、北極圏に近いアイスランドが燃料電池車と電気自動車を実現するのではないだろうか。
ブルーラグーンとオーロラと水素に囲まれたアイスランド。それはなんとも神秘的な国なのである。
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