ダンパーメーカー「KYB」の環境への取り組み
LCAという環境評価
環境問題がクローズアップされる中で、クルマの燃費が話題となっている。クルマは石油燃料を燃やすことで動力を得ているので、標的になりやすい。しかし、実際は、クルマを取り巻く環境問題はもっと複雑で、深刻かもしれない。
というのは、クルマは走っている時だけに二酸化炭素(CO2)や有害物質を放出しているわけではなく、クルマが製産される時や、部品や素材が製造される時にも環境への負荷が存在するからだ。今回はクルマの部品レベルでの環境対策についてレポートすることにしよう。

クルマの環境問題は燃費だけでなく、製造過程や部品などについても考える必要がある。
クルマの環境負荷を考えるとき、燃費以外では、LCA(Life Cycle Assessment)という評価方法がある。これは資源採取から廃棄・リサイクルまでの各段階で、クルマが環境に与える要因を定量化し、総合評価する手法であり、「ISO14040」で国際標準化されている。
トヨタのプリウスの場合は、走行段階だけでなく、生産から廃棄までの全段階で排出するCO2や大気汚染物質の総量を旧型車に比べて低減している。このように真の環境負荷を考えるならば、走行時だけではなく、そのクルマの製造から廃棄までの「生涯を通じた環境負荷」を考えることが必要だ。例えば、どんなに走行時のCO2削減が優れていても、製造時と廃棄時に環境負荷が大きければ意味がないではないか。
こうした視点はあまり語られることがないが、クルマ産業の裾野を支える大手部品メーカーにとっては新たな課題でもある。ここに紹介するのは、世界シェア20%を誇るダンパーメーカーのカヤバ工業株式会社の取り組みだ。
同社は2005年10月1日より通称名称を「KYB株式会社」とし、「ケーワイビー」と呼ぶことになった。同社代表取締役社長の山本悟氏は「地球との共生」という、環境の時代を生き抜く骨太なビジョンを打ち立てている。

KYB株式会社 代表取締役社長 山本 悟 氏
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