ハイブリッドとディーゼルの燃費レース
京都議定書が採択された1997年はトヨタがプリウスを開発した年だ。その翌年には欧州でフォルクスワーゲン(以下、VW)がディーゼルの燃費の良さを打ち出した3リッターカー「ルポ」を発表している。ハイブリッドとディーゼルの燃費レースはここから始まったと言える。
3リッターカーとは100km走る時の燃料消費量が3リッターという意味であり、日本の燃費表示とは異なる数値だ。通勤で毎日100kmくらい走る自動車ユーザーが少なくない欧州では、100km走行時の燃料消費量を言い当てるほうが、直感的に理解できる。日本では1リッターで何キロ走れるのか、省エネ感覚の表示が一般的だ。
3リッターカーは日本流に表現すると、リッター当たり33.3km走ることになるから、まさにプリウスとルポ・ディーゼルは、真っ向からライバルとなっていた。しかし、ここで注意しなければならないことは、ガソリンと軽油ではカーボンの含有量が異なるので、同じ燃料消費量でも二酸化炭素排出量はディーゼルの方が10%ほど多い。さらに走行モードの違いは燃費に大きく影響するから、日本の10-15モードと欧州モードを直接比較することはできない。いずれにしてもハイブリッドとディーゼルは、それまでのガソリンエンジンでは達成できない燃費の良さが大きな特徴であるわけだ。
こうして自動車業界の二酸化炭素削減の動きは欧州と日本を中心に動き始めたわけだが、VWの1.4リッター・ツインチャージャーはこの時期に開発が始まっていた。1.4リッターTSIを開発担当するエンジニアは「ガソリンエンジンは燃費レースではハイブリッドやディーゼルに負けていたので、その悔しさを開発のモチベーションにしている」と述べている。しかし、こうした自動車メーカーの必死の取り組みにもかかわらず、140g規制をクリアすることができるのだろうか。
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