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昔からある渡りのルート

渡り鳥たちは、昔からずっと変わらないルートを移動していきます。それは、場所によっては100mも違わないほど正確です。マガンのような大型の野鳥でも、日本にたどり着くまでには、本当に狭いルートを渡ってきます。北半球から南半球へ地球の季節が動く時に季節風の狭間の出来る場所は決まっているので、そのルートにはきっと通過するのに都合の良い気流が出来上がるのでしょう。

日本列島の地形が数千年も変化しない様に、気流の変化も毎年同じように地球規模で起きているものです。だからこうした荘厳な渡りも、結局のところ渡り鳥たちは一つの定めにそって飛翔し続けているにすぎません。

こうした渡り鳥の渡りを見ていくと、こんなことも考えます。例えば、「鳥インフルエンザ」が近年大きな問題となっていますが、それもこうした渡りのルートでの新型ウイルスの拡散の時期がやってくるのかもしれません。カモなどをはじめとした水鳥だけにインフルエンザの注目が集まりがちですが、山野を移動する小型の野鳥たちだって、ウイルスをもっていると十分に考えられるからです。このような視点で自然界を見ていくと、私たちも地球環境に生きることをプログラムされていて、あらゆる自然界からの影響を受けながら生かされているのだなあ、と感じてしまいます。


マガンの竿になり鉤なりの飛行編隊は実に印象的な渡りだ

マガンの竿になり鉤なりの飛行編隊は実に印象的な渡りだ
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渡り鳥たちは中央アルプスのこの険しいハイマツ帯の稜線を飛び超えなければ、目的地にはたどりつけない。この稜線にも、野鳥を餌として狙うハイタカやチョウゲンポウの姿があった

渡り鳥たちは中央アルプスのこの険しいハイマツ帯の稜線を飛び超えなければ、目的地にはたどりつけない。この稜線にも、野鳥を餌として狙うハイタカやチョウゲンポウの姿があった
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宮崎 学(みやざき・まなぶ)

写真家。

1978年『ふくろう』で第1回絵本にっぽん大賞、1982年『鷲と鷹』で日本写真協会新人賞、1990年「フクロウ」で第9回土門 拳賞、1995年『死』で日本写真協会年度賞、『アニマル黙示録』で講談社出版文化賞受賞。他写真集・著書多数。最新刊『かわりゆく 環境・日本生き物レポート(理論社)や『ツキノワグマ』、『森の写真動物記』のシリーズが発刊中。

自身のホームページ「森の365日」では、中央アルプ ス山麓の仕事場をライブカメラにて24時間中継している。

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