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林の中で呼び合い
再び旅へ

その後3週間ほどして、ボクは伊那谷側の中央アルプス山麓の林で、まるで初夏の野鳥のさえずりのような張りのある声を聞きました。たぶんツグミの声なのでしょうが、とても美しい声です。このさえずりは5分ほど響いていただけで、すぐにまた静寂の世界に戻ってしまいました。

ツグミはシベリア方面が故郷ですから、春のさえずり声を日本で聞くことはできません。季節は秋だというのに、あれだけ甲高い声でツグミ類特有のメロディーをもって鳴いていたのは、仲間が稜線越えをしてきて山麓にたどり着いたところで、無事を確認しあっていた声だと思います。

そして、再び隊列を組み直して、次なる難所である南アルプス越えに向かったから、急に静かになったのです。このような渡り鳥たちの群れは、林の中を縫いながら移動し、空に出なければならないところだけは最短距離を飛翔するという渡り方をするので、私たちの目にはなかなかとまらないものです。

そんな渡りの一端を覗けたことで、僕は野鳥たちの渡りが11月になっても日本海側からまだまだどんどん続いていることを実感しました。


無事渡り着いたシロハラは、リンゴやカキの取り残しで日本の冬をうれしく過ごす

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赤いオオマシコは野鳥ファンあこがれの小鳥だが、ひっそりと日本へ到着することが多い

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