第35回 絵巻が語る“サステナブルな未来”(前編)
全人類の生存基盤を脅かす“身勝手な2割”の人間
今の文明がサステナブルではない——言い換えれば、この先、何世代にもわたって続けていくにはあまりに大きな根本的な欠陥がある——ということは、もはや自明になってしまった。
その欠陥の一つは、いつの間にか、あまりに多くの資源やエネルギーの消費なくしては成り立たない経済、産業、社会の構造が出来上がってしまったということだ。
日本人は年間1人当たり、石油に換算して約4tのエネルギーを消費している。欧州諸国もほぼ同じ状況で、米国やカナダではさらにその倍を消費する。
ただ、このヒステリックとも思える化石燃料の消費ペースは最近の傾向で、50年ほど前にはこの4分の1程度だった。
しかも日本がこの文明の仲間に加わった130年ほど前、つまりは文明開化以前、この国のエネルギーの中心は太陽や水や薪(まき)、炭などの再生可能自然エネルギーだったのであり、それ以外のエネルギー消費はほとんどゼロであったことを考えると、その異常さがよく分かる。
一体、我々はそんなに急いでどこへ行こうとしているのだろうか? 石油も石炭も天然ガスも使い果たしたその先に、一体、何があるというのだろうか?
この文明のもう一つの大きな欠陥は、そうした資源、エネルギーに代表される大量消費が、世界のごく一部の人々によって独占的になされているということである。
これがもし、「地球」という閉じられた世界の運命共同体の中で、すべての構成員が等しく利益を享受した結果、等しくリスクを被るならば致し方ないとしても、実際には2割程度の人間の身勝手のために、全人類とその子孫たちの生存基盤が脅かされているということは、どう考えても理不尽である。
ところが自分自身、図らずもその“身勝手な2割”の仲間に加わっているということに、何とも居心地の悪い気がするのである。さりとて、世界中の人が今の日本人と同じような暮らしをすれば地球が3個以上必要になる計算で、そんなことは望むべくもない。
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