元の姿をとどめた中古家具の“変身”
学生たちは普段、自由な発想でアイデアを出し、デザインして新しい材料を使って作品を作っている。中古で汚れたり壊れたりした家具を目の前にして、そこから新しいデザインを生み出すことに、果たして興味を持つのだろうかという疑問もあった。
だが、結果的には大変強い興味を示す学生が予想以上に多かった。
東京都東村山市にあるウインローダーの倉庫まで、皆で引っ越し家具(彼らにとっては素材)を見に行く。まだまだ新しくて十分使える家具もたくさんあって、そのまま自分で使いたいくらいだ。
どうして捨てられてしまったのだろうか?
そんなことを考えながら、自分の力でどのように“変身”させられるか想像するのは、思いのほか面白いものである。学生たちは自分で選んだ家具にチェックを入れてゆき、選ばれた素材は加工のために大学に運ばれる。ウインローダーが運送会社であることは、こういうとき大きなメリットであった。
そして、制作されたリサイクル家具を一堂に集めての講評会。それは常にスリリングである。生まれ変わった家具はどれも明るく生き生きしているように見える。そして、多くの場合、どこかに元の家具の記憶をとどめているのが面白い。
特に私が指示したわけではないのに、学生たちは元の家具の姿をどこかに残そうとするのだ。それは、元の持ち主と生活を共にしながら、なぜか捨てられてしまった家具たちへの同情なのだろうか?
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