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第24回 世界に広がる“グリーン”な地図

2008年7月4日

デザイナー=益田 文和氏


カーリーヘアに大きな眼鏡
風変わりなエコデザイナーとの出会い

1993年2月、オランダ・ロッテルダムの歴史的な旧港湾施設で開かれた「第1回 O2 EVENT(オートゥー・イベント)」。

デンマークのインダストリアルデザイナー、ニルス・ピーター・フリントの呼び掛けに応じたヨーロッパ7カ国、7人の環境問題を考えるデザイナーたちが1988年に結成したグループ「O2」によって開催された初めての世界規模のワークショップである。

会場は、『地球のためのデザイン』などの著書で知られる今は亡きビクター・パパネックをはじめ、多くの先輩デザイナーや若い学生たちでにぎわっていた。そのなかを、会う人ごとに何か聞きながら歩き回る小柄な女性がいる。不釣合いに大きな眼鏡が妙に目立つ。そして、彼女は私の前にもやって来た。

「ハロー、私ウェンディ。あなたのホテルの部屋にはシャワーがある?」

唐突な質問にうろたえながらも、「あ、あるよ……」と答えると、「使わせてくれない? 頭、洗いたいの」と、伸び放題のカーリーヘアをかきむしる――。

米国ニューヨークに住むエコデザイナー、Wendy Brawer(ウェンディ・ブラウアー)との出会いはこんな感じであった。

しばらくすると彼女はりんごをかじりながらまたやって来て、誰だかのバスルームを借りることにしたからシャワーの件はもういい、と言ったついでに、自分は本郷(東京都文京区)だか大塚(東京都豊島区)だかどこだかに住んでいたことがあるとか、東京の下町の風情がいいとか、ひとしきり話したいだけ話した。そうして最後に「また日本に行けたらいいな」と言い残すと、どこかに消えてしまったのである。

そのちょっと風変わりなウェンディが「グリーンマップ」という素敵なプロジェクトを始めたのは、ちょうどそのころだったと思う。

それは、彼女の住むニューヨークの地図に、環境に良いと思われる出来事や施設や景観を、アイコン(絵記号)を使って表示してゆくというプロジェクトだ。

ニューヨークのアーティスト兼エコデザイナー、ウエンディ・ブラウアー((C)Rebecca Vaughan)

ニューヨークのアーティスト兼エコデザイナー、ウエンディ・ブラウアー(©Rebecca Vaughan)
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