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第23回 循環する“第二の大地”

2008年6月20日

デザイナー=益田 文和氏


世界に広がるカーペット需要
日本だけでも山手線内の2.5倍!

日本はやはり畳文化の国だからか、「カーペット」といってもなかなかピンと来ない。例えば靴を履いたままカーペットの床に座り込むとか、ベッドの上に倒れ込む。そうした人々の姿を見るにつけ、どうしても生理的、心理的な距離を感じてしまうのだ。

そもそも「畳文化」という意味は、畳が敷かれる床の素材が木であるということであって、木の床の文化と言い換えてもいい。一方、カーペットはというと、こちらはペルシャ絨毯(じゅうたん)を源とするならば、それが敷かれていたのは土か石の床の上だったのに違いない。

そうした違いはまた、“履物を脱ぐ文化”と“履いたままでいる文化”の違いでもある。この違いは、想像以上に大きいのではないかと思う。

もちろん、数千年といわれる絨毯の歴史と、たかだか数百年の畳の歴史を比べることには無理があるだろう。それでも韓国や日本の家の床が、物理的にも心理的にも“地面と縁を切った”まさに「床(とこ)」であるのに対し、欧米を含む世界の多くの地域では、家の中に引き込まれたカーペットという“第二の大地”の上に暮らしているかのようだ。

その第二の大地の広さはというと、世界のカーペット及びフローリングの需要規模は2008年で126億m²。これはちょうど、新潟県1個分の広さに当たる。あの穀倉地帯に見渡す限り敷き詰められたカーペットを想像すると、第二の大地という比喩もあながち的外れではなさそうだ。

ちなみに、米国のカーペット需要だけでも2009年には20億m²(※注1)に達するだろうと言われている。もとは畳文化であったはずの日本でさえ、その需要は1.5億m²(※注2)。東京都を走る山手線内の面積の2.5倍になるというから驚きである。

しかし、それだけの需要があるということは、裏返せば廃棄されるカーペットの量もまた大量だということだ。実際、1年間に廃棄されるカーペットの量は、全米だけで200万t(※注3)にも上る。

この膨大な量のカーペットを使い捨てるのではなく、循環させて使おうと考えた人がいる。今や世界No.1のタイルカーペットメーカーといわれている、InterFace FLOR(インターフェイス・フロア)の創業者レイ・アンダーソンである。


(※注1) 米国の調査会社The Freedonia Group, Inc.による
(※注2) 日本カーペット工業組合発表の2006年度データによる
(※注3) NPO法人Green Sealによる

インターフェイス・フロアの創立者兼会長レイ・アンダーソン氏

インターフェイス・フロアの創立者兼会長レイ・アンダーソン氏。2007年には米タイム誌の「環境の英雄」43人の1人として選ばれた
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カーペットの上に靴を履いたまま座り込むという習慣は、やはり日本人にはなかなか馴染めないように思うのだが……

カーペットの上に靴を履いたまま座り込むという習慣は、やはり日本人にはなかなか馴染めないように思うのだが……インターフェイス・フロアのカーペットには半永久的に効果が持続する抗菌効果も施されている
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