“おいしい記憶”を宿す
カラフルな子供用チェア
コリンはこの素材の特性を十分に研究し、構造を工夫することで独創的なデザインを生み出している。
例えば、再生HDPEは耐薬品性に優れた素材だ。ということは、裏返せば接着しにくいということでもある。部品構成はシンプルにして、はめ込みやネジ止めで組み立てるようにしなければならない。
そうした様々な制約条件にもかかわらず、コリンは平らな板を曲げるだけで、驚くほど豊かな立体感と明るい表情を生み出す。彼の作るイスは、フレッシュな牛乳やカラフルなフルーツジュースを入れていた容器の“おいしい記憶”が宿ったイスなのだ。
また最近、彼は“都市ゴミ”から新たなイスを生み出している。都市のサステナビリティ・ランキングで全米ナンバーワンだというオレゴン州ポートランド市で作られる、リサイクルプラスチックを使ったものだ。
コリンのいるワシントン州シアトル市から南、オレゴン州のポートランド市にかけてのエリアは今、米国で最もサステナビリティに関する意識の高い人々や企業が集まるといわれる地域なのである。
ポートランド市では、市内で出るゴミの中から分別したプラスチックを原材料に長尺ボードを作り、桟橋やデッキ材として利用している。
この耐久性に優れた強じんなリサイクルプラスチックを使って、コリンは家具作りに取り組んだ。市の統一規格の板材を使いながらも素材の特徴を生かし、なおかつ単調で退屈なイスにならないところが彼のデザイン力である。

ポートランド市の廃棄プラスチックから作られた板材を使って、コリンがデザインしたイス
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