第14回 風の記憶を鳴らす竹のスピーカー
放っておいてもどんどん伸びる
竹はサステナブルなエコ素材
竹というものは、素晴らしい“エコ素材”である。その品種は数百種とも、一千種を超えるともいわれるが、いずれも硬くてなめらかで、しなやかにして強靭な、節のある棹(さお)を持っている――これが共通の特徴だ。
一般に、竹を英語では「bamboo」と呼ぶが、実は、「take(竹)」と「bamboo(バンブー)」は異なる種である。
東アジアの亜熱帯から温帯にかけて自生する竹は、地下茎を横に伸ばしては筍(たけのこ)として地上に頭を出し、一定の間隔を空けて林立する。

京都の竹林。一定の間隔を空けて生えているのが分かる
これに対して、アジアや中南米の熱帯地方に広く分布するバンブーは株立ちで、1つの株から何十本も塊になって密生する。「竹林を渡る涼やかな風」……などという表現は、バンブーには当てはまらない。何しろ猫の子も通り抜けられないほど棹を接して密生しているのだから。

一株ごとに固まって生えるバンブー
それでも、竹もバンブーも、非常に生命力が強くて成長の早い植物であることに変わりはない。
例えば、中国原産で日本列島の関東以西に広く見られる孟宗竹などは、子供の胴回りもあるほどの筍が、太いまま節と節の間を伸ばす。その成長速度は、最盛期には1日に1m以上といわれる。3年もすれば20mに達する勢いだ。
しかし、元々は筍を採って食べるために植えた竹も、採らずに放置すれば地下茎を伸ばして森を侵食してゆく。親竹は数年を経て立ち枯れ、竹林は荒廃した竹藪(たけやぶ)と化す。森を守るためにも、竹は積極的に伐採して活用すべきなのである。
加えて、杉やヒノキなどの樹木は、通常、植林してから数十年も待たなければ人が利用できる成木にならないのに対して、竹は農薬も化学肥料も使わず、放っておいても勝手に生えて、どんどん成長する。
使っても使っても枯渇する心配のない、サステナブルな(持続的に使い続けられる)天然素材が、竹なのである。

これでも筍といえるかどうか?
この連載のバックナンバー バックナンバー一覧へ 画面先頭に戻る
- 第34回 人類は食物連鎖の“やらずぶったくり” (2008/11/21)
- 第33回 デジカメが記憶にもたらす変容 (2008/11/07)
- 第32回 “暗いコンビニ”の記憶 (2008/10/24)
- 第31回 引っ越しで捨てられた家具の使い道 (2008/10/10)
- 第30回 電子メディアをアナログに使う (2008/09/26)


