第12回 飛騨白川郷は村ごと「記憶のデザイン」だった
雪深き白川郷で開かれた
第2回サステナブルデザイン国際会議
2007年12月21日から23日にかけて、岐阜県の白川郷で「第2回サステナブルデザイン国際会議」を開催した(編集部注:益田氏は同会議の実行委員長)。
京都議定書以来10年、日本は産・官・学が総力を挙げてエコデザインによるエコプロダクツの開発に取り組んで、目覚ましい成果を上げてきた。それにもかかわらず、この国のCO2排出量は増えるばかり。
人にも自然にも過剰なストレスをかけずに長く続けてゆくことのできるサステナブルな社会を作る、という最終目的に立ち返ってデザインの役割を再考し、体制を立て直すことを意図したこの会議は、2006年12月に東京ビッグサイトで第1回を開催して、今回が2度目である。
前回はエコプロダクツ展と同時開催で、場所も展示会と隣接した会議棟に取ったため、展示会場と行ったり来たりするのには便利だった。エコプロダクツ、エコデザインと比較しつつ、サステナブルデザインのアウトラインを描く――そのために可能な限り多くの方々に参加していただきたいという初回の目的には最適な会場であった。
しかし、集中して議論を深めるには、もう少し落ち着ける場所が必要だと考えていた。
ちょうどそんな時、トヨタ白川郷自然学校を使わせていただけそうだという話が出て、そこしかない、ということになった。
飛騨白川郷は合掌造りの集落であまりに有名な世界文化遺産であるが、岐阜県ということから愛知・東海地方からのアプローチを考える人が多いようだ。実際には石川県と富山県の県境に近い岐阜県の北の端にあって、古くから富山藩・前田家とのつながりが深く、現在でも東京から行くなら富山から入るのが最も近い。東海どころかほとんど北陸なのだ。
したがって、冬は雪深い。200年以上変わらぬ姿を保ってきた雪の白川郷。サステナブルな未来に思いを馳せるのに、これ以上の舞台装置はなかろう。何しろ地域全体がそのまま「記憶のデザイン」なのである。

深い雪に覆われた白川郷の合掌造り集落
この連載のバックナンバー バックナンバー一覧へ 画面先頭に戻る
- 第34回 人類は食物連鎖の“やらずぶったくり” (2008/11/21)
- 第33回 デジカメが記憶にもたらす変容 (2008/11/07)
- 第32回 “暗いコンビニ”の記憶 (2008/10/24)
- 第31回 引っ越しで捨てられた家具の使い道 (2008/10/10)
- 第30回 電子メディアをアナログに使う (2008/09/26)

