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近年、企業のCSR活動の一環としてインドネシアなどへの植林活動が盛んだ。不法な皆伐によってはげ山になった地域に木の苗を植えることは、もちろん必要なことだ。だが、それをはるかに上回る勢いで進む伐採そのものを止めない限り、森林のサステナビリティはあり得ない。

そのためには、森林資源をより経済効果の高い方法で有効活用する産業を興してゆくのが一番だ。「Magno」のような小さな木工製品が世界で認められれば、地域の人々は自分たちの仕事を確保する上でも、森と木を大切にするはずである。

現在、「Magno」は私の運営する「オープンハウス」で輸入している。インターネットショップ「エコみやげ」で注文を受けたり、展示会などでお頒けしている。そのほか、何カ所かのお店でも扱っていただいているが、おおむね好評を得ているようだ。

Magnoシリーズの最新作「木のラジオ」。

Magnoシリーズの最新作「木のラジオ」。材料には現地産の木材を使っている。よりシャープな形になり、IDRA受賞作と比べると全くといってよいほど印象が異なる
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マホガニーの重厚感を活かしたデザインのルーペはMagnoシリーズの中でも人気アイテムの1つ

マホガニーの重厚感を活かしたデザインのルーペはMagnoシリーズの中でも人気アイテムの1つ
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さて、こう書いてくると、すこぶる順調そうな話だが、無論、現実はそれほど単純ではない。実際、インドネシアから送られてきた初期の商品サンプルは、ラジオのスピーカー穴の部分が割れていたり、つまみがゆるくて抜けてしまったりと不良だらけ。熱帯地方で何10年もかけて育った天然素材を、湿度も気温も異なる国で使おうというのだから、仕方がないところもある。

しかし、例えばテープディスペンサーにセットされたテープがうまく切れなかったり、虫めがねのレンズが汚れていたりというような品質上の問題も多く、日本で売る商品としては致命的だ。やむを得ず、問題を発見するたびに詳細に報告し、具体的な対策を提案する。さらには部品の一部を日本で調達してインドネシアに送るなど、可能な限りの手を打ってきた。

それもこれも、彼らが直面している深刻な環境問題に対する責任の一端は、私たち自身にもあると思えばこそ。何とかシンギーのチャレンジをサポートしなければ、という思いからである。

今日も我が社の「Magno」担当スタッフは、インドネシアから届いた商品を1つ1つ開梱し、検品に余念がない。

日本とよく似たインドネシアの田園風景

日本とよく似たインドネシアの田園風景

益田 文和氏の略歴

1949年 東京都に生まれる。
1973年 東京造形大学デザイン学科卒業(インダストリアルデザイン専攻)。国土建設株式会社を経て、株式会社デザインオフィスBACSに勤める。
1978年 デザイン事務所インデクスを設立、以後フリーランスデザイナーとして活動。
1991年 株式会社オープンハウスを設立。

日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞審査委員(1988年~)。
日本デザインコンサルタント協会代表幹事。
O2 Global Network 日本代表。
日本デザイン学会会員。
第6回国際デザイン・リソース・アウォード・コンペティション 2002-2003審査委員。

主な著書
『戦略環境経営 エコデザイン ベストプラクティス100』(ダイヤモンド社/1999/共著)他。

著者の関連サイト
株式会社オープンハウス

益田 文和

インダストリアルデザイナー。株式会社オープンハウス代表取締役。LLPエコデザイン研究所所長。東京造形大学デザイン学科教授。

エコデザインの第一人者として地球環境を見据えたエコデザイン、サステナブルデザインをテーマに幅広く活動。プロダクトデザインのほか、企業へのデザインコンサルテーション、日本各地での地場産業振興、国際的な各種プロジェクトにも携わる。

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