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ドックンやグルグル音を堪能する

イラスト満載、ストーリー仕立てでわかりやすいガイドブックにしたがって、さっそく自分の体のあちこちに聴診器を当ててみよう。「ドックンドックン」が聞こえる心臓、かすかに風が吹くような「グーフー」音が聞こえる肺をときて、クライマックスは何と言っても腸の音だ。仰向けになっておへその回りに聴診器を当てると、ゴニョゴニョグルグル、ものすごい賑やかな音がする。

これは腸の中の食べ物を、消化液と混ぜたり、先に送り出している音。で、ここでまたひとつ「へー」を。腸というのは副交感神経が働いているとき、つまりリラックスしているときに活発になって、音を出しまくるものらしい。

一方、心臓や肺は反対で、交感神経が働いているとき、つまり緊張しているときに動きが速くなる。これは人間が動物だった時代の名残で、敵から素早く逃れたり、闘ったりできるように、酸素や血液を、筋肉などの各器官に送ろうとするためらしい。ちなみにこのときは、敵がよく見えるように、瞳孔まで開いているのだそうだ。

私の場合、ちょっとした心当たりもある。最近、取材中にやたらと自分のお腹がグーグーなるのが気になっていた。だいたいお腹がすいたことをアピールして、「かわい~」とか思われる年でもないし。要は、年のせいで図々しくなったため、リラックスしまくりで仕事に臨んでいるってことだと思う。これじゃあ、敵が来ても、とっさには逃げられまい。

ちょっとブルーになりつつ、夫や犬にも聴診器を当てさせてもらう。心臓にしろ、腸にしろ、どちらも、私の音より明らかによく聞こえる。本をよく読んで、意味がわかった。メタボな人ほど、脂肪が防音壁になって、聴診器に聞こえる音も小さいらしい。もう一段ブルーになった。

まあ、いろいろ思いはあるけれど、自分の持ち物でありながら、実は自分が一番よく知らない体を探検するのはすごく楽しい。そうしてつくづく思う。こんなすごいもの作っちゃった地球って、すごいなあって。

チェストピースに光る「MADE IN JAPAN」の文字。この部分はひんやりしているので、手で温めてから体に当てるのが常識だという。

希望小売価格:2415円
問い合わせ:日本実業出版社
http://www.njg.co.jp/c/4206/4206.html

福光 恵(ふくみつ・めぐみ)

ライター

1990年代初頭のバブル崩壊を機に、キュレーター見習いから雑誌ライターに。日経新聞別刷りプラス1に連載していた「VIVA!個電天国」は、文庫本「VIVA!個電天国ベスト120」(朝日文庫)になって発売中。ほかに週刊朝日「ドン小西のイケてるファッションチェック」(構成)など。エコ方面の趣味は犬の散歩。

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