第6回 「今どきの水筒」の巻
水筒のある毎日を楽しむ女子が増えている
小学生のころの遠足に持って行った水筒のことを考えていて、ちょっと頭を抱えてしまった。
自分の水筒にいつもどんな飲み物が入っていたのか、さっぱり思い出せないのだ。覚えているのは、飲み物にしっかりうつった昭和の粗悪なプラスチック水筒の、あの独特の匂いだけ。
ところが、不思議なことに他人の水筒の中身だけは、やたらとよく覚えている。砂糖入りの麦茶があることを知った衝撃とか、水筒にカルピスを入れてくる男子にちょっと惚れちゃったこととか。おすそわけしてくれた友達の顔と一緒に、そんな思い出がよみがえってくる。
年に何回も出てくるものじゃないのに、水筒というのはそうやって、持っている人のキャラクターを決定づける重要なアイテムだったという気がしなくもない。さっそく私の水筒に何を入れていたのか、親に確認しようと思ったけど、やっぱり恐ろしくなってやめた。やだなあ、もし当時親が凝っていた煎じ薬とかが入っていて、誰かのなかでそれが私のイメージになっていたら……。
その水筒に今、プチブームが来ている。
紙コップやペットボトルを減らすことができるエコアイテム“水筒”。街を歩くとあちこちの自動販売機が「さあ買ってくれ」と言わんばかりに光り輝いているけれど、「じゃあ買うよ」とコインを持ってその前に立つと、飲みたいものって意外に少ない。何より水筒なら、家で飲んでいるお気に入りの飲み物を、いつでもどこでも飲めるのがいい。若いオフィス女子を中心に、水筒をバッグに忍ばせる人も増えてきた。
実際にこんな動きもある。昨年、編集者やデザイナー、小説家などが集まって、水筒普及のためのクラブ「すいとう帖委員会」を大阪にて発足。いろんな人たちの水筒スタイルを写真とコメントで紹介した本「すいとう帖」を出版した。さらに、同委員会とポットメーカー「象印マホービン」の協力で、水筒でお茶をテイクアウトできる「給茶スポット」も、全国に続々と増えているという。

東急ハンズなどで、今どきの水筒を買い集めてみた。機能やデザイン、メリット、デメリットもさまざまなので、シーンに合わせて、あれこれたくさんほしくなる
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