病院の建物コストは、運用段階が88%を占めている
解析ソフトなどをBIMモデルと連動させると大きな効果が
現在、BIMは、図面の作成から設計の可視化、干渉チェック、シミュレーションなど、建物の設計、施工フェーズを大幅に合理化し始めています。
ところが、病院などを例にとると、建物のコストは竣工後の運用段階で発生するものが、なんと88%にも上っているのです。設計、施工段階のコストダウンよりも、運用段階のコストを1%でも下げることが全体のコスト削減には大きく影響するのです。
これは、エネルギーの使用量やCO2の発生量とも、大いに関係があるでしょう。現在のBIMは、まだ竣工後のエネルギー解析や建物ユーザーの動線分析、CO2排出解析などの技術と、十分に連動しているとは言えません。

現在のBIMの機能。図面作成からシミュレーションまで建物の設計、施工の業務ワークフローを大幅に効率化するのに役立っている(以下の画像:Dr. ChuckEastman)

開発されているものの、BIMとは連動していない技術。竣工後のエネルギー使用量や運用コストなどの削減などに役立つものが多い
例えば、レーザースキャニングという測量機は、建物や地形上の何百万点、何千万点という数の3次元座標を測定することにより、形状データを測定しますが、その膨大なデータからBIMのモデルを作るのには、まだ多くの手作業が必要となります。
また、動線シミュレーションやコスト解析なども、個々の解析ソフトは開発されていますが、建物のBIMモデルと連動しているものは少なく、いまだに手作業によって入力データを作らなければなりません。
もし、これらの解析ソフトがBIMモデルに直結すれば、入力データを手間ひまかけて作る必要もなくなり、竣工後の環境性能など何度も繰り返して解析し、パフォーマンスの高い設計を追求することができるようになるでしょう。すると、建物の運用コストも下げることができ、設計、施工段階のコストダウンを上回る効果をBIMによって実現することができるのです。

イーストマン教授の基調講演に聴き入る参加者。講演後は、活発な質疑応答が行われた
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- 第10回 BIMで甦る地球の環境!日本の環境工学と建築計画を融合させよう (2008/08/05)
- 第9回 竣工後のCO2削減はBIMモデルの作り方にかかっている (2008/07/29)
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