BIMのレベルによって、モデルに入力する設計情報も変わる
究極のインテグレーテッド・プラクティス・モデル
一口に「BIM」といっても、その内容は様々です。最も基本的なのは、建物の3次元形状に「壁」や「窓」などの部材の種別や名称などの最低限の属性情報を付加したものです。これは、従来、2次元CADや表計算ソフトなどで作っていた紙の図面や数量表などを、BIMモデルによって作ることによって作業の自動化や整合性の確保、修正の容易さなどの効果が期待できます。建物の運用や維持管理などにも使うことができるでしょう。
次はBIMモデルを使って構造計算やエネルギー解析などの様々な技術計算を行える「主要システムモデル」としての情報まで盛り込んだものです。さらに情報の内容を充実させると、工程管理を行ったり、コスト解析を行ったりできる「シミュレーションモデル」となります。
究極は、設計施工にかかわるすべての関係者が共有し、協働で設計を最適に仕上げていく「インテグレーテッド・プラクティス・モデル」です。
後のモデルになるほど、BIMモデルに込められる情報量は多くなり、それを扱う設計者の業務も多くなります。報酬についても、単純なモデルでは概念設計の報酬の割合が20%程度のイメージで施工図作成などの下流業務の割合の方が高くなる従来型の設計作業に近いものになるでしょう。
これに対し、インテグレーテッド・プラクティス・モデルになるとフロントローディングで概念設計段階で行われる業務の質、量が増大するため、35%くらいが妥当になるでしょう。

BIMモデルのレベルの違いによる属性情報や作業内容の違いと、設計フェーズごとの報酬(フィー)割合の違いのイメージ。Einhorn Yaffee Prescott Architecture & Engineering, P.C.の資料をもとに作成

「レベル1」のBIMモデルイメージ。空間の利用状況の管理はできるが、ドアや壁などは部材の種別が区別できる程度の情報しか入力されていない(以下の画像:Einhorn Yaffee Prescott Architecture & Engineering, P.C.)

「レベル2」のBIMモデルイメージ。ビル内の主要機器はすべてリストアップされ、製造メーカーの情報や維持管理スケジュールにもタグによってリンクされている

「レベル3」のBIMモデルイメージ。時間軸を入れて工程管理(4D)のシミュレーションやコスト軸を入れてコスト管理(5D)、熱環境情報を入れて熱環境解析(6D)などを行うことができる

「レベル1」のBIMモデルイメージ。空間の利用状況の管理はできるが、ドアや壁などは部材の種別が区別できる程度の情報しか入力されていない(以下の画像:Einhorn Yaffee Prescott Architecture & Engineering, P.C.)

BIMモデルのレベルと部材の属性情報の細かさのイメージ。レベル1は一般的に形状や大きさだけだが、レベル2では材質や内部構造、レベル3ではコストや断熱性能など、レベル4では部材のメーカーや関係図書とのリンクなども入ってくる
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