地下水を冷却塔の水源に利用
運用コスト削減し、省エネ施設の建設費を7年半で回収
自然換気は冷房エネルギーを削減するだけでなく、室内の空気の質を向上させることにも役立ちました。建物の両脇の低い位置から入った空気は、展示会場内で温められて上昇気流となり、屋根まで達します。すると屋根の勾配に沿って建物の最上部まで空気が移動し、自然に排出されるというものです。その空気の流れは、3次元の数値流体力学によって解析され、設計に生かされました。
冷房には地下水の熱も使っています。地下の帯水層にある約13℃の水を冷却塔で利用し、約21℃の水を帯水層に戻すことで水道水の使用を年間2万6500トンも減らすことができました。

展示会場内の気流の流れは数値流体力学(CFD)で解析した

屋根スリットから差し込む光を利用するとともに、展示会場内で温まった空気は屋根に沿って建物最上部に導き、排出する

地下の帯水層の水を冷却塔に使用したり、温まった水を戻すことで省エネと省資源に役立てる
また、ホテルの浴室や洗濯機などからの排水である「グレー・ウオーター」を再生処理し、トイレの洗浄水として使うことでも水道水の使用を1日当たり約380トン減らしました。さらに、展示会場内のトイレ排水は半地下タンクに集められ、会場内に設置された浄化糟で浄化、殺菌されたあと、トイレの洗浄水として再利用することも行っています。

施設内の浄化槽。トイレの水を浄化し、消毒することで洗浄用に再利用している
太陽光の照明としての利用、自然換気を活用した空調、そして水の再利用による効果は、施設運用時のエネルギー使用を36%も減らしました。金額換算すると年間では89万3000ドル(約9500万円)にもなります。また、水道水の使用量は8割も減らすことができました。運用コストが下がった結果、建設時にこれらの施設の建設にかかった初期コストは、わずか7年半で回収することができるのです。
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