機械室をフィットネスルームに、

共同浴場をプライベートなシャワーブースに、


それぞれ機能変換。不要になった独身寮の機能を現在のニーズにフィットさせていった。
こう書けばかっこいいが、本音を言うと自分の学生時代の欲求を素直に形にしていっただけ。実は田舎から東京に出てきてすぐの学生時代、僕も寮に住んでいた。そのとき最も悩ましかったのが、“女の子を連れてこられない”ということ。寮といえば汚いのは当然だし、そもそも女の子を寮に呼んでくる口実が見つからない。もちろんホテルに誘うなんて金も勇気もなかった。
では、その口実を空間でつくってあげよう。今回の設計は建築家となった今の僕から、過去の僕への思いやりだった。例えば寮にプールバーやラウンジがあれば、女の子を誘いやすい。なぜならそこは半分パブリックな空間だからだ。
ところが結果は予想外。女性の入居者が男性をはるかに上回ったのだ。外から連れてくる必要さえない状態。この結果には驚かされたが、同時に彼らが男女問わず、どのような形のコミュニケーションを求めているのか、その一端を垣間見る気がした。
おそらく、ここにずっと住み続ける人はいないだろう。でも人生のある時期には是非過ごしてみたくなる住処。コミュニケーションを重視する世代に合ったスタイル。
それが「ソーシャルアパートメント」なのである。
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