太陽光発電の設置数が急速に増える一方、太陽熱利用給湯システムは、まだ影の薄い感がある。特にマンションへの設置となると、めったにお目にかかれない。だが、2011年度には注目度が高まってくるに違いない。東京都が導入費を補助する事業を創設するからだ。
新事業では、新築マンションに太陽熱利用給湯システムなどを導入する事業者を対象に、最大で導入費の2分の1を補助する。都は、補助金の交付を担当する財団法人東京都環境整備公社に20億円を出資する。補助の期間は2015年度までの5年間だ。
太陽熱を利用する給湯システムは、戸建て住宅向けが主流だった。分譲マンションの場合、屋根の上に設置した集熱装置や各住戸に熱を送る配管などを誰が管理するのか、月々の使用料をどのように分配するか、といった問題があった。「ゼロエミッション社会への挑戦」 で紹介した、東京ガスの「SOLAMO(ソラモ)」は、この点を解消するため、各住戸の手すりに集熱装置を設置して、住戸ごとに独立したシステムを実現した。2011年秋に竣工予定の分譲マンション「ドレッセ青葉台プレエスタ」(横浜市青葉区)の最上階3戸に採用された。

東京ガスの太陽熱利用給湯システム「SOLAMO(ソラモ)」は集熱装置をバルコニーに設置(資料:東京ガス)

三菱地所レジデンスの分譲マンション「パークハウス吉祥寺OIKOS(オイコス)」も太陽熱利用給湯システムを導入した(写真:ケンプラッツ)
「ゼロエミッション社会への挑戦」 で紹介した、三菱地所レジデンスの分譲マンション「パークハウス吉祥寺OIKOS(オイコス)」(東京都武蔵野市)も、太陽熱利用給湯システムを導入した例だ。こちらは、戸建て住宅用の給湯システムを採用。屋上の集熱装置と居室側の設備は、どちらも住戸ごとに独立に設置した。ただし、システムが戸建て住宅用のため、熱媒体を送る高さに制限がある。4階建てのオイコスでは、1階住戸には導入しなかった。
東京都の新事業によって、住棟単位で集熱や給湯を行うセントラル方式を分譲マンションに導入する動きは加速しそうだ。