
縁側での日なたぼっこは極上の快適
「暖房しなくても暖かいこと」――。こんなふうに答えると意地悪く聞こえてしまうかもしれません。でも、私はそう考えているのです。「ここは沖縄じゃないのだから」というツッコミが返ってくることでしょう。なぜ私がそう考えるのか、一緒に暖房問答の思索に出てみましょう。
どんなに寒い家でも、日が差し込んだ部屋はポカポカに暖かいですよね。暖かいどころか、日なたぼっこの気持ちよさは格別です。極上の快適といってよいでしょう。
でも太陽はどんどん西に傾いて、いつの間にか沈んでしまいます。同時に部屋の中は、どんどん温度が下がり寒くなります。ところが、日差しの熱がいつまでも残っていれば室温は下がらず、まるで暖房しているような状態をつくることができます。

断熱・気密の性能が低い住宅では、ガンガン暖房しないと暖まらず、室温は不安定。断熱・気密の性能が高い住宅では、わずかな熱で暖かく快適になり、室温は安定している
室内の熱は、壁や屋根、窓、そして換気扇(もしくは隙間)から逃げます。しかし、断熱性や気密性が高く、熱を蓄える物(蓄熱材)が部屋の中にたっぷりあって、そこから熱が少しずつわき上がってくれば、室温はわずかにしか下がりません。
まるで部屋自体が暖房機のようなもの。いや、暖房というイメージではなく、熱を感じないけど寒くないというイメージです。でも、外から玄関ドアを開けて一歩家の中に入ったらフワッと熱が浮いているように感じます。
経験したことのない人にはイメージしにくいこの感じが、暖房を考える時にとても大切なのです。隙間風が出入りし、外と変わらないほど冷え込む家の中で考える暖房は、大きな熱で力任せに部屋の空気を暖めるというイメージです。そこから脱出しなければ「一番よい暖房」には行き着かないでしょう。