断熱するほど家が腐る……怖い話ですね。
1995年に起きた阪神淡路大震災では、倒壊した家の壁の中が露わになり、その多くに木材の腐れが確認されました。木造の家は、腐ってしまうと弱くなります。今日、建てられる耐震構造の家でも、腐ってしまえば同じです。
木材を腐らせているのは木材腐朽菌で、木材を食べてしまうのがシロアリです。どちらも繁殖するためには「水」が必要で、木材が何らかの原因で湿ったままでいると発生します。原因となる水をつくるのが「雨漏り」「水漏れ」、そして「内部結露」です。

写真1 浴室の水漏れで土台が腐った例

写真2 内部結露で断熱材にカビが繁殖した例
結露には表面結露と内部結露があります。表面結露は、内装材の表面で起こります。内部結露は、壁の中、天井裏、床下などで起こります。見えない所で知らぬ間に、土台や柱をぬらします。
図1は典型的な内部結露の状況です。壁の中に繊維系の断熱材を充填(じゅうてん)しています。

図1 典型的な内部結露
冬の一日、暖房している室内から冷えた外に向かって水蒸気が流れます。
同様に、室内の方が外より温度が高いので、熱も内から外に移動します。ところが断熱材に遮られて熱は移動しにくくなっています。このため断熱材の外側にある外壁は冷え込んでいます。水蒸気が壁の中を移動して、この冷えた外壁にぶつかり、露点以下になると結露します。これが内部結露というものです。断熱性が高まれば高まるほど壁の中に大きな温度差ができて、内部結露の危険性を高めてしまいます。
結露は断熱材をぬらして断熱効果を失わせ、やがて水滴となって流れ落ち、土台をぬらします。土台はぬれて水を含み、木材腐朽菌を繁殖させ、シロアリまでがやってきて食害をはじめます。これが内部結露の最悪のシナリオです。