燃料電池10の疑問

燃料電池10の疑問
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2009年3月31日(火)公開
構成・文/桜井敬三
 

Q1. 燃料電池って何? 乾電池や充電池とどう違うの?

 燃料電池は、「電池」と呼ばれますが、機能としては発電機に近いものです。乾電池や充電池などのように電気をためておくものではありません。水素などを燃料として使い、一般的な電池と同じような電気化学反応を利用して発電します。

 燃料電池の発電に利用する電気化学反応は、水の電気分解の逆反応です。

 水を電気分解すると、水素と酸素が得られます。電気分解に使われる電気エネルギーは、水素分子と酸素分子の内部エネルギーとして蓄えられます。この水素を燃やして酸素と結びつけると、発熱して水になります。水素と酸素の化学反応によって、蓄えられた内部エネルギーが熱エネルギーとして放出されるのです。

 このように燃やせば熱として放出されてしまうエネルギーを、電気化学反応によって電気エネルギーとして取り出すのが、燃料電池です。燃料としては、水素のほか、メタンガスやメタノール、ガソリンなどが使われることもあります。ただし、水素以外の燃料を使う場合も、電気エネルギーを取り出す電気化学反応では水素を分離させて利用します。

 燃料電池の基本構造は、水素などの燃料が供給される電極「燃料極」と、空気が供給される電極「空気極」の二つの電極で電解質を挟むかたちになっています。この電解質を通って、水素イオンは燃料極から空気極へと移動します。各電極と電解質の間には、電気化学反応の進行を助ける触媒の層が挟まれています。

 電気エネルギーを取り出す反応は、以下のとおりです。燃料極の表面で、触媒の力を借りて、水素分子が水素イオンと電子に分離します。一方、空気極では、こちらも触媒の力を借りながら、空気中の酸素が水素イオンおよび電子と結びついて水になります。水素イオンは、両電極の間の電解質を通って、燃料極から空気極へと移動します。この一連の電気化学反応によって、電気エネルギーを取り出すことができるのです。
 

燃料電池の基本構造

燃料電池の基本構造。燃料となる水素などが供給される電極「燃料極」と、空気が供給される電極「空気極」の二つの電極で、水素イオンが移動する電解質を挟むかたちになっている。各電極と電解質との間には、電気化学反応を助ける触媒の層が挟まれている